2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12144208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
三宅 眞実 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10251175)
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Keywords | タイトジャンクション / 上皮細胞バリアー / 腸管病原性大腸菌 / クローディン / 3型分泌機構 |
Research Abstract |
腸管病原性大腸菌(EPEC)の感染による、腸管上皮細胞間バリアーの破壊機構を解析した。EPECは宿主細胞内に病原因子を注入する3型分泌機能を有しており、分泌装置を構成するタンパクと分泌される病原因子が遺伝子上約35kbpの領域(LEE)に集約してコードされている。それぞれの病原遺伝子を欠失したEPEC株を用いて検討した結果、3型分泌機能には第一弾の分泌(注入)と第二弾の分泌(注入)が存在し、両者時EPECが腸管上皮細胞に密着する際の接着因子(インチミン)と,第一弾の分泌により宿主細胞に移入されたインチミン受容体(Tir)の結合によって明瞭に区別されることが明らかとなった。さらに3型分泌装置で分泌されるエフェクタータンパクを詳細に解析したところ、EPECが持つエフェクター群のうちMAPと呼ばれるエフェクターが上皮細胞間バリアーの破壊に関与していることがわかった。現在、MAPの細胞に対する作用を解析している。 また、上皮細胞モデルにEPECを感染させると、細胞内のZO-1が菌体の接着部位の直下に集積することがわかった。ZO-1はタイトジャンクションの裏打ち構造に集積するタンパクとして知られているため、本現象とタイトジャンクションの機能との関連を調べている。 一方、タイトジャンクションの機能や局在を調べるため、種々のクローディンを欠失させた変異マウスの表現系を解析した。その結果、クローディン1は哺乳類の皮膚のタイトジャンクションが水分蒸散を防ぐために必頑であり、クローディン5は脳血管内皮細胞の血液脳関門の機能に必須であることを明らかにした。いずれのマウスも生後致死で、細胞間隙のバリア機能の重要性が示された。
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Research Products
(1 results)