2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12145204
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
相賀 裕美子 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雄 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60321858)
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Keywords | 体節形成 / Mesp2 / Dll1 / 分節境界 / Notchシグナル / 前後極性 / Lunatic Fringe / Dll3 |
Research Abstract |
脊椎動物の分節性(繰り返しパターン)の形成及び、分節境界の形成に関わる分子機構を解析した。未分節中胚葉後方ではNotchシグナル関連分子が分節クロックとして、振動していることがわかっていたが、Notchのシグナルそのものが振動している証拠はなかった。我々は活性化したNotch分子のみを特異的に認識する抗体を用いて未分節中胚葉を解析したところ、後方部で確かにNotchシグナル自身が振動しており、それが未分節中胚葉前方部で安定化することを見出した。そのNotchシグナルはDll1-KOマウスでは消失し、Lunatic fringe (L-Fng)-KOマウスでは逆に活性が上昇しているとともに、振動も見られなかった。よって後方部におけるNotchシグナルはDll1により誘導され、L-Fngにより負の制御を受けていると考えられる。一方、Mesp2-KOマウスでは前方部のNotchシグナルが安定化せず、分節境界が形成されないことをわかった。NotchシグナルとMesp2シグナルの関係を分節境界形成過程で詳細に調べた結果、Notchシグナルは分節境界においてMesp2により抑制されることによりNotchシグナルの境界面が形成されこれが将来の分節境界を形成することがわかった。またこのときMesp2はL-Fngを誘導しており、それがNotch活性の抑制に寄与すると考えた。したがって、Mesp2はこれまで明らかにしてきた体節の前後極性の形成に加えて分節境界の形成に関わる非常に重要な転写因子であることが明らかになった。
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