2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12146205
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木南 英紀 順天堂大学, 医学部, 教授 (10035496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 安男 大阪大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10049091)
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Keywords | オートファジー / Atg7 / ノックアウトマウス / 蛋白質分解 / ユビキチン |
Research Abstract |
オートファジーはダイナミックな膜動態を伴うリソソームによるタンパク質分解機構で、飢餓条件で著明に誘導される。哺乳類では、細胞の内外の環境変化に速やかに応答して不要な、あるいは障害オルガネラやタンパク質を処理して恒常性を維持するのに働くと想定されている。本研究では、高等動物におけるオートファジーの生理機能、病理機能を明らかにするため、オートファジーに必須な遺伝子群Apgシステム(Atgと統一された)の同定および機能解析を進めてきた。ヒトATG遺伝子群の中、とくに二つのユビキチン類似の蛋白修飾システムであるAtg結合修飾システムを構成する遺伝子群に着目している。今年度は個体レベルでのオートファジーの生理機能、病理機能を明らかにする研究を中心に行った。Atg7はAtg12結合修飾システムおよびLC3結合修飾システムに共通するE1様酵素である。このAtg7のコンディショナルノックアウトマウスを作製した.Atg7は個体、臓器レベルでAtg結合修飾システム、オートファゴソーム形成、絶食によって誘導されるバルクタンパク質やオルガネラの分解に必須であることがわかった。また、Atg7欠損マウスの解析により新生児におけるアミノ酸供給にオートファジーが必須であることも確認された。さらに、Atg7欠損は異常な膜構造体、変形ミトコンドリア出現などの様々な細胞異常やユビキチン陽性の凝集体の蓄積をもたらすことを見いだした。これら一連の結果からオートファジーは栄養・代謝制御や細胞内のタンパク質・オルガネラの浄化作用に重要な役割を果たしていることがわかった。現在、オートファジーのより詳細な代謝・生理学的役割や病態における役割について解析を続けている.また、オートファゴソーム膜からのLC3の離脱にApg4Bが関与すること、オートファゴソームの最終の成熟過程にrab7が関与することなどオートファジーの分子機構についても大きな成果が得られた。
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