Research Abstract |
ユビキチン(Ub)は標的蛋白質に共有結合して,蛋白質の分解を指令する.ごく最近Ub以外に様々なUb様(Ub-like : UBL)蛋白質が生体内に存在する事が明らかとなり,それがUbと同様にE1様酵素,E2様酵素を介して標的蛋白質に共有結合する事が明らかとなった.細胞周期やシグナル伝達そして形態形成の制御因子がこのUb/UBLシステムによって修飾されることが次々と明らかとなっているが,その生理的役割は不明であり,その解明が大きな課題となっている.私はこれまでにUBL蛋白質の一つであるNEDD8がCullinファミリータンパク質からなる多様な複合体型ユビキチンリガーゼを翻訳後修飾し,そのユビキチンリガーゼ活性を促進することを報告してきた[EMBO J.,20,4003(2002)].また本修飾システムは分裂酵母ならびに哺乳動物において必須であった[EMBO J.,19,3475(2001);J.Cell Biol.,155,571(2001)].さらに酸化ストレス応答やDNA損傷修復に関わる因子がCullinファミリータンパク質と複合体を形成してユビキチンリガーゼとして機能することを明らかにした[Mol.Cell Biol.,24,7130(2004);DNA repair,4,537(2005)]. 真核生物ではその他に様々なUBL蛋白質が保存されており,Ub修飾系と連携して生体機能を制御していると考えられる.本研究ではさらにその他の様々なUBL修飾システムについても解析を行ない,新たなユビキチン様修飾機構Ufm1修飾系の同定と(EMBO J.,23,1977-1986),ノックアウトマウス解析を行った.また自食作用(オートファジー)に必須なUBL修飾系のコンディショナルノックアウトマウスを作製し,オートファジーはユビキチン化タンパク質の分解にも重要な役割を果たすことを明らかにした(J.Cell Biol.,in press).
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