2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内鉄濃度を制御する転写因子の鉄センシング機構と転写活性化機構
Project/Area Number |
12147204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 裕子 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (10281726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 大朋 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90303875)
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Keywords | 鉄 / 細胞内局 / 核外移行担体 / 出芽酵母 / 転写因子 / 相互作用 |
Research Abstract |
出芽酵母において、鉄代謝機構の制御に関わる遺伝子群の発現を鉄の必要量に応じて制御する転写因子Aft1の細胞内鉄濃度のセンシング機構の解明を目指して研究を遂行し,以下の結果を得た。 1.鉄によるAft1の核外移行制御機構の解析 Aft1の核内移行担体であるPse1の温度感受性株を用いた核外移行アッセイを行うことにより,Aft1の鉄による転写活性化能の制御に核外輸送制御が重要であることが判明した。これと一致して、前年度にAft1の核外輸送担体であることが明らかになったMsn5とAft1が鉄存在下では結合するが,鉄欠乏状態では結合しないという観察結果を得た。また,両者の相互作用に必要なAft1配列内の領域の同定がほど完了したので,この領域でのMsn5との結合に対する鉄の影響を観察中である。 2.Aft1の活性に影響を与える新たな因子の同定とその機能の解析 鉄によるAft1の活性制御はMsn5との相互作用の制御以外の制御も存在することが明らかになり,その制御に関与する因子の同定を行った。同定された因子のなかにはその配列の相同性より推察される機能がAft1に鉄を運搬するあるいはAft1への鉄の結合に利用されると考えられるような遺伝子が存在しており,その機能の解析を行っている。 3.Aft1の鉄の結合能の解析 Aft1の大量精製は困難であったが,Aft1に高い相同性を示し,Aft1と同じ核移行担体・核外移行担体と相互作用すると考えられるAft2の大腸菌での大量精製に成功し,結合様式を分光学的に解析した結果,鉄の結合を示唆するようなシグナルが観察されたが,非常に微弱なシグナルであった。この結果より,精製されたAft2蛋白質はアポ型が大半であると考えられたため,より多くのホロ型が得られる条件の検討中である。
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[Journal Article] Zinc transporters, ZnT5 and ZnT7, are required for the activation of alkaline phosphatases, zinc-requiring enzymes that are glycosylphosphatidylinositol-anchored to the cytoplasmic membrane.2005
Author(s)
Suzuki, T, Ishihara, K., Migaki, H., Matsuura, W., Kohda, A., Okumura, K., Nagao, M., Yamaguchi-Iwai, Y., Kambe, T.
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Journal Title
J.Biol.Chem. 280
Pages: 637-643
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