2004 Fiscal Year Annual Research Report
短寿命活性種をシグナルとするセンサー蛋白質の構造と機能
Project/Area Number |
12147205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 一雄 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30116032)
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Keywords | 酸化ストレス / 転写因子 / 鉄イオウクラスター / SoxR / X線構造解析 / NMR / P.aeruginosa / Vibrio cholera |
Research Abstract |
酸化ストレスが増大するど、防御修復系タンパク質の活性誘導される現象が広く生物界に見られる。大腸菌において、スーパーオキサイドアニオン産生に応答する遺伝子の発現調節に関わる調節因子であるSoxRが単離されている。SoxRは、転写制御部位に鉄イオウクラスターを持ち、その酸化還元により転写調節するというユニークな性質を有し、その特異な構造と機能は注目される。本研究では、大腸菌におけるSoxRに依存した酸化ストレス応答の分子機構を明らかにすることを目的としてSoxRのX線構造解析を目的として結晶化を試みてきた。その結果得られた結晶を用いて、X線回折実験を行ったところ、最高で3.8Å分解能を超え,る反射が確認できた。またSoxRの鉄イオウクラスタードメインのNMRによる測定を行い、現在まで知られている鉄イオウクラスターとは全く異なるスペクトルを得られ、その特異な構造が示唆された。このSoxRと同様なアミノ酸配列を持つタンパク質が種々のバクテリアにも存在している。しかしながらE.coliと異なり、いずれのバクテリアにおいても酸化ストレス応答に必要なもうひとつの転写因子であるSoxSが存在しない。またsoxRの5'上流にSoxRタンパク質の結合領域と相同の配列と未知のタンパク質のORFが存在している。そこで、本研究では、P.aeruginosaおよびVibrio choleraにおけるSoxRを大量発現、精製を行い、その機能について調べた。いずれののSoxRは鉄イオウクラスターに特徴的な吸収スペクトルを持ち、またその酸化還元電位もE.coliと同様な値を示した。精製したタンパクはSoxR配列の5'上流に存在するE.coliにおけるsoxSプロモーターと同様な配列を持つDNA fragmentに結合することがfluoresence polarizationにより確かめた。またP.aeruginosaのすぐ上流に存在する未知のタンパク質のin vitroでの転写活性が見られ、この活性がSoxRの酸化運元により制御されていることが分かった。以上の結果より、SoxRは酸化ストレス以外の多様な応答遺伝子として働いていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)