2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12202040
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仁田坂 英二 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (60222189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30012777)
|
Keywords | アサガオ / トランスポゾン / Tpn / Ipomoea / 連鎖地図 |
Research Abstract |
アサガオは、江戸時代後期に多くの自然突然変異体が単離され、さらに大正から昭和初期にかけて、わが国で古典遺伝学的研究が盛んに行われた。本研究の目的は今後の分子生物学的研究の基礎となるようなアサガオのゲノム解析を行うことである。我々のグループは既に、アサガオの変異の大部分は、En/Spm系のTpn1類縁のトランスポゾン(Tpn1ファミリー)の挿入によるという事を見出している。具体的には以下の項目について研究を行った。 1)突然変異系統の解析・整理:500系統以上、約3000個体の系統更新・写真記録を行い、この際に各系統の突然変異形質の記録を行った。2)統合的連鎖地図の作製:約400のAFLPマーカー、表現型マーカー、クローン化された遺伝子の分子マーカーを用いて15連鎖群からなる最初のバージョンの連鎖地図を作製した。今後、AFLPマーカーを、より精度の高い、クローン化された遺伝子やESTによる共優性マーカーに切り替えていきたい。3)Tpn1ファミリーの解析:Tpn1ファミリーを含む約200クローンを制限酵素地図で分類し、現在までに24グループについて塩基配列を決定した。その結果、内部配列はアサガオの遺伝子を取り込んだ特殊な構造をしていることが明らかになった。塩基配列決定したTpnの中でtransposaseをコードしている自律型因子を同定する。4)Tpn1ファミリーを指標にした突然変異体の原因遺伝子の単離・解析:Tpnによりタグされた未知有用遺伝子を簡単に同定できる簡易トランスポゾンディスプレイ(Simplified Transposon Display;STD)法を開発し、紫地に青色の絞り花を咲かせる易変性「紫」変異purple-mutableの同定に成功した。このSTD法は非常に有効であり、今後、他の易変性を示す突然変異体に応用し原因遺伝子を単離する。4)均一化cDNAライブラリーの作製・塩基配列決定等については現在準備を行っている。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] 仁田坂英二,星野敦,田中幸子,飯田滋: "アサガオの連鎖地図とトランスポゾンディスプレイ"植物のゲノム研究プロトコール(佐々木卓治、田畑哲之、島本功編、秀潤社). 14. 179-185 (2000)
-
[Publications] S.Fukada-Tanaka,Y.Inagaki,T.yamaguchi N.Saito and S.Iida: "Colour-enhancing protein in blue petals"Nature. 407. 581 (2000)
-
[Publications] S.Iida,A.Hoshino and J.-D.Choi: "Floricultural traits and transposable elements in morning glories"Kor.J.Hort.Sci.Tech.. 18. 845-848 (2000)
-
[Publications] T.Shiraiwa,E.Nitasaka and T.Yamazaki: "Geko, a novel gene involved in olfaction in Drosophila melanogaster"J.Neurogenet.. 14. 145-164 (2000)
-
[Publications] K.Shiokawa,Y.Inagaki,H.Morita,T.-J.Hsu,S.Iida and H.Noguchi: "The functional expression of the CHS-D and CHS-E genes of the common morning glory (Ipomoea purpurea) in Escherichia coli and characterization of their gene products"Plant Biotech.. 17. 203-210 (2000)
-
[Publications] 仁田坂英二: "アサガオの系統保存"ライフサイエンスのための系統保存とデータバンク(中辻憲夫編、共立出版). 63-67 (2000)
-
[Publications] S.Fukada-Tanaka,Y.Inagaki,T.Yamaguchi and S.Iida: "Simplified transposon display (STD) : a new procedure for isolation of a gene tagged by a transposable element belonging to the Tpn1 family in the Japanese morning glory"Plant Biotech. (in press). (2001)
-
[Publications] A.Hoshino,Y.Johzuka-Hisatomi and S.Iida: "Gene duplication and mobile genetic elements in the morning glories."Gene. (in press). (2001)
-
[Publications] S.Iida and A.Hoshino: "Spontaneous mutagenesis and transposable element in the Japanese morning glory"Gamma Field Symposia. (in press). (2001)
-
[Publications] 米田芳秋,仁田坂英二: "アサガオ画像データベース"(財)遺伝学普及会編. (2000)
-
[Publications] 仁田坂英二: "伝統の朝顔III-作り手の世界"国立歴史民俗博物館編. 80 (2000)
-
[Publications] 仁田坂英二: "伝統の朝顔III-芽生えから開花まで"国立歴史民俗博物館編. 80 (2000)