Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 胤尚 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)
島本 和明 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40136940)
菊池 健次郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30045455)
井ノ上 逸朗 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00192500)
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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Research Abstract |
本研究の目的はヒト集団を利用して本態性高血圧の発症関連遺伝子を同定する事である.ヒトゲノム計画の急速な進展によって,多くの塩基配列,SNPs情報がウェブ上で利用ができるようになった.また,日本人のSNPs情報も蓄積されてきた.これらのゲノム資源を利用して,本態性高血圧をはじめとする複雑なヒトの多因子疾患の発症関連遺伝子を同定するためには,質の高いヒト集団のDNA検体が必須である.そこで,本研究では全国の研究者と共同で,3000例以上の症例・対照群を収集し,候補遺伝子アプローチおよびゲノムワイドスクリーニングにより,発症関連遺伝子の同定を目指している. 1.内科外来において収集した検体は約1400例である.一方,地域・職域集団では約2000検体を収集した.検体の臨床情報から,高血圧群として,男性,60歳未満で発症,160/100mmHg以上または降圧剤内服中,第一度近親に高血圧家族歴がある,BMI25以下の条件で200例を抽出した.対照群として,男性,50代以上,BMI22以上で,高血圧の既往がない260例を抽出した. 2.多型の地域差を検討するため,北海道,島根,熊本の3地域から収集した検体で,biallelic多型2種類,マイクロサテライトDNA多型3種類を比較したところ,1種類のマイクロサテライトDNA多型で有意な地域差が見られた. 3.特に地域集団で収集した血液は量が限られているため,DOP-PCRによる遺伝子DNA増幅を試み,SNPsタイピングに使用可能であることを確かめた. 4.マウスの塩分負荷により腎臓で発現の変化する遺伝子と,これまでの報告等から100遺伝子を選択し,ハプロタイプによる各200例の症例・対照研究を実施中である.主に日本人SNP情報を利用し,12-16人のDNAでハプロタイプ解析をおこない,これまで約60個の候補遺伝子の解析が終わった.
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