2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12204002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 尚之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60231437)
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Keywords | 関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス / CD72遺伝子 / 選択的スプライシング / FCGR2B遺伝子 / APRIL遺伝子 / ID遺伝子群 / 血管新生 |
Research Abstract |
1.CD72多型スクリーニングにより、10個所の変異・多型を検出し、2種の主要ハプロタイプを見出した。SLE発症との関連は認められなかったが、SLEにおける腎症の有無との有意な関連が検出された。また、exon 8を欠く新たな選択的スプライシング産物(AS型)が見出され、さらに、上記のゲノムDNA多型とAS型の量比の間に有意な関連が見出された。また、COS-7細胞への遺伝子導入により、AS型は蛋白レベルで発現することが示された。さらに、CD72同様にB細胞の抑制型受容体であり、われわれの昨年までの研究で、アジア集団におけるSLE感受性との関連が示されたFcγ受容体IIb遺伝子(FCGR2B)のIle232Thr多型とCD72多型との遺伝子間相互作用を検討し、AS型の増加を伴うCD72ハプロタイプを持つ個体では、FCGR2B-232ThrアリルによるSLE発症リスクが有意に減弱することが見出された。 2.BAFF(BLyS)およびその受容体の関連遺伝子の一つとして、APRIL(TNSF13)の解析を行った。過去にKoyamaらにより報告されたGly67ArgとSLEとの関連が確認され、また、新たに、抗Sm抗体陽性SLE群における3'非翻訳領域SNPの関連が検出された。 3.包括的遺伝子発現解析によりRA滑膜血管内皮細胞における発現増強を検出した、Id1およびId3に対してRNAiのHUVECに対する効果を検討した。Id1およびId3 shRNA導入によりこれらの遺伝子発現を抑制したHUVECにおいて、VEGF刺激に対する増殖、ICAM-1,E-selectin,α_v integrin発現、走化性、MMP2,MMP9産生、管腔形成のいずれもが、ほぼ完全に抑制された。昨年度の結果も合わせて、IdはHUVECにおいてVEGF誘導性活性化、血管新生に必須の因子であることが示された。
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