2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症関連遺伝子群および結核発症に関連する宿主遺伝要因の解明
Project/Area Number |
12204009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服巻 保幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90128083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20243941)
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Keywords | 統合失調症 / 罹患同胞対解析 / 関連解析 / グルタミン酸受容体 / 連鎖不平衡 / 結核 / インターフェロン受容体 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
1.統合失調症関連遺伝子について (1)グルタミン酸受容体およびグルタミン酸トランスポーター遺伝子群の系統的な関連解析を行い、GRM5およびSLC1A2の特定のハプロタイプにおいて関連を認めた。 (2)全ゲノムにわたる罹患同胞対解析の結果と諸外国からの報告を考慮し、再現性の高い5q33.1領域について40個の候補遺伝子を選定し、連鎖不平衡解析に基づく関連解析を行い、3つの遺伝子について関連を認めた。 (3)約2万5千個のマイクロサテライトマーカーにつき、関連解析を行っており、現在6,667個のマーカーによる解析が終了し、819個において有意差を認めている。 (4)本疾患モデルラットであるPCP投与ラットの大脳の5部位から、マイクロアレイを用いて発現変化を来す遺伝子を選択し定量的PCRにより10個遺伝子を同定した。現在関連解析を実施中である。 (5)先に関連が認められたGRIA4についてノックアウトマウスを単離し、電気生理的解析を行うと共に、行動解析のためにバッククロスを行っている。 2.結核関連遺伝子について (1)21の候補遺伝子を対象にSNPsマーカーを用いたローカスワイド関連解析を行った結果,IL12RB1,IL1B,STAT1,TNFRSF1Bにおいて関連が見出された。 (2)新規の抗酸菌感染症症例11例についてIFNGR1の解析を行ったが、全て正常であった。うち2例と検体既採取でIFNGR1,IFNGR2,IL12B,IL12RB1,IFNG,STAT1が正常であった6例についてIL23(p19),IL23R,IL27R(WSX-1)の部分的な追加解析を行ったが、IL27Rを解析した8例中4例でsynonymous cSNP(276T/A)を認めたのみであった。またBCG刺激単核球を用いたcDNAマイクロアレイ(30K)にて、既知のIL-12/IFN-γ経路に異常のないBCG骨髄炎症例において発現パターンが異なる遺伝子5個を見出した。結核患者95検体について818del4をPCR-RFLPで検索したが、全て正常であった。
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