2000 Fiscal Year Annual Research Report
「小腸-膵β細胞」を枢軸とした候補遺伝子プールの構築による糖尿病遺伝子の同定
Project/Area Number |
12204026
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武田 純 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40270855)
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Keywords | 小腸栄養シグナル / 膵β細胞 / MODY3 / HNF / 糖尿病遺伝子 / EST |
Research Abstract |
正常では食後の小腸栄養シグナル(インクレチン)によって膵β細胞のインスリン分泌が増強されるが、2型糖尿病ではこの作用が一義的に障害される。我々は単因子遺伝の2型糖尿病(MODY3)の解析から、HNF転写因子で制御された「小腸・β細胞の連動システム」が糖尿病発症に先行して障害されることを見い出した。既知のMODYおよび関連遺伝子はすべて両組織で発現している。さらに最近、インクレチン受容体欠損が単独で耐糖能障害を惹起することが報告された。従って、日本人の糖尿病遺伝子を「小腸-膵β細胞ライン」で探索することは重要である。本計画では、同組織ラインのHNF候補遺伝子の直接解析戦略と発現遺伝子を網羅するEST-マイクロアレイ戦略を開始した。先ず、ヒト膵ラ氏島遺伝子を網羅するために無作為選択によって1万個のESTを決定した。インスリノーマにおいてはインスリン合成や分泌に関連した遺伝子群の発現が上昇していると考えられたので、同主要組織由来のヒトESTも1万個を集積した。次いで、既知MODY遺伝子と罹患症例の臨床情報から、小腸がβ細胞と同じく糖尿病発症に関連する重要組織であることが判明したのでヒト小腸ESTも1.5万個を追加集積した。さらにラットに関する同様の計画においても、「特定C領域研究」の初年度に目標を達成した。遺伝子過剰発現または欠失マウスを個体レベルで解析するための基盤構築のために、マウス計画も精力的に進行中である。これらのESTを搭載するマイクロアレイシステムの基本反応条件も初年度の研究でほぼ樹立された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Nishigori, et al.: "Mutations in the small heterodimer partner gene are associated with mild obesity in Japanese subjects."Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 98. 575-580 (2001)
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[Publications] Q.Zhu et al.: "Identification of missense mutations in the hepatocyte nuclear factor-3β gene in Japanese subjects with late-onset Type 2 diabetes mellitus."Diabetologia. 43. 1197-1200 (2000)
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[Publications] S.Tanaka et al.: "Identification of a novel dominant-negative mutation in the hepatocyte nuclear factor-1α gene in Japanese early-onset type 2 diabetes."Horm.Metab.Res.. 32. 373-377 (2000)
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[Publications] Y.Aihara et al.: "Molecular cloning of a novel brain-type Na^+-dependent inorganic phosphate cotransporter."J.Neurochem.. 74. 2622-2625 (2000)