2000 Fiscal Year Annual Research Report
SNPs探索分子素子(ミスマッチ結合分子リガンド)の開発
Project/Area Number |
12204063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70237303)
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Keywords | SNP / 分子リガンド / G-Gミスマッチ / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
SNPsのマッピングとタイピングは、ゲノムのドラフトシーケンスが明らかとなった今、ゲノム科学に求められる極めて重要な課題であり、SNPsの迅速、簡便、安価な検出手法の開発が求められている。我々はミスマッチ塩基対に選択的に結合する分子リガンドの開発を研究目的とし、この分子リガンドを用いることにより、SNPsをミスマッチを含むDNAとしてを検出する手法の確立を目指した。 我々はSNPsすなわちDNAのミスマッチ塩基対が本来のマッチ塩基対と明らかに異なる構造を持つことに着目し、SNPsの一つであるG-Gミスマッチに対して極めて高選択的に結合するG-Gミスマッチ認識分子(ナフチリジン2量体)の創製を世界に先駆けて達成した。この分子はG-Gミスマッチに対して1×10の7乗(M-1)の結合常数を示し、G-Aミスマッチと比べて600倍以上の選択性を示すことを明らかにした。この選択性発現の理由は、この分子を構成するナフチリジンがGと相補的な水素結合様式を持っており、水素結合様式の適合しない他の塩基には結合しないためと考えられる。開発したナフチリジン2量体を表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance,SPR)測定用のセンサーチップ表面に固定化して、G-Gミスマッチ検出センサーを作成した。このセンサーを用いてミスマッチを含むDNAオリゴマーを調べたところ、G-Gミスマッチを含むDNAに対して、選択的に強いSPRシグナルを検出した。他のG-A、G-Tミスマッチ、さらにはG-Cマッチサイトだけを含むDNAでは、シグナル強度の変化はほとんど観測されなかった。このセンサーを用いて、HSP70-2遺伝子のGGホモ接合体とGCヘテロ接合体に在るSNPの検出に成功した。
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Research Products
(1 results)