2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病遺伝子の同定・単離ならびに機能解析:ヒトとモデル動物の染色体対応に基づいたアプローチ
Project/Area Number |
12204069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20221062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手
川口 義彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20303943)
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Keywords | 多因子疾患 / 遺伝 / 糖尿病 |
Research Abstract |
糖尿病は複数の遺伝子と環境因子の相互作用により発症する多因子疾患である。このため、従来単一遺伝子疾患で用いられてきた遺伝解析法では遺伝子のマップはできても、責任遺伝子の同定・単離ならびに機能解析には必ずしも結びついていないのが現状である。本研究では遺伝的に均一な純系モデル動物ならびにそのコンジェニック系統・コンソミック系統を用いて遺伝子の同定・単離・機能解析を進めながら、その情報に基づいてヒトのカウンターパートの解析を進めた。2型糖尿病モデル動物NSYマウスのゲノムスキャンにより同定した耐糖能を規定する遺伝子Nidd1nの局在する第11染色体のみを導入したコンソミック系統ならびに第2の遺伝子Nidd2nの局在する第14染色体を単独で有するコンソミック系統を確立し、機能解析を進めた結果、第11染色体上のNidd1nは肥満や内臓脂肪蓄積を介することなくインスリン抵抗性ならびに血糖上昇をきたすのに対し、第14染色体上のNidd2nは肥満・内臓脂肪蓄積を介することなくインスリン抵抗性をきたすが、耐糖能には影響を与えない遺伝子であることが明らかとなった。Nidd1nのマップされた領域に存在する候補遺伝子Tcf2のヒト対応遺伝子多型と一般の2型糖尿病との間には有意の関連を認めなかったことから、Tcf2が2型糖尿病の疾患感受性に関与する可能性は低いと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ueda H: "Age-dependent changes in phenotypes and candidate gene analysis in a polygenic animal model of Type II diabetes mellitusi NSY mouse"Diabetologia. 43. 932-938 (2000)
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[Publications] Kawabata Y: "Age-related association of MHC class I chair-related gene A (MICA) with type I (Insalin-Dependent) diabetes Mellitws"Human Immunology. 61. 624-629 (2000)
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[Publications] Ueda H: "Paternal-maternal Effects on pherotypic characteristics in spontaneously diabetic Nagoya-Shibata-Yasuda Mice"Metabolism. 49. 651-656 (2000)
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[Publications] Babaya N: "Congenic mapping and functional analysis of a second component of the MHC-linkea diabetogenic gene (Idd16)"Int J Piabetes. 8. 1-7 (2000)