2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌のゲノム解析による細胞分化の遺伝子システム解明
Project/Area Number |
12206001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田仲 可昌 筑波大学, 生物科学系, 教授 (80091908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10002122)
漆原 秀子 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00150087)
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Keywords | 細胞性粘菌 / cDNA解析 / ゲノム / 細胞分化 / マイクロアレイ / 完全長cDNA / in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
最も単純な多細胞体制を持ち細胞分化するモデル生物、細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの大規模cDNA解析を行い、次の成果を得た。 (1)第2期cDNA解析として、オリゴキャップ方を用いて完全長cDNAライブラリーを作製し、大量の塩基配列情報を蓄積した。現在、Dicty cDBが保有する配列決定数は76,593個で、cDNAコンティグ数は6,427個である。これらの配列情報を整理し一部アノテーションを付けて、コンティグ配列とその関連情報としてホームページに掲載した。(2)転写の制御に関与すると思われる107種の遺伝子を抽出し、そのうち40種についてゲノムDNA配列との対応付けを行った。その配列情報を参考にして、最近我々が開発したPCRだけで遺伝子破壊用DNAコンストラクトを作製し、37種の遺伝子について形質転換体を得て、現在破壊株かどうかを確認中である。(3)terminator REMI法を用いて27個の変異体を作製し、発生過程の写真撮影、ゲノムDNAへの貼り付け、遺伝子の前後の配列を決定し、整理した。(4)7,385クローンについて、発生過程での遺伝子発現プロファイルを解析した。その結果、「単細胞が集合する時期(発生後6時間目まで)」と「多細胞体を形成する時期」を境に、調べたクローンの1/4の遺伝子が顕著に変化することが分かった。また、細胞型特異的遺伝子を同定し、それら過程での発現の変化もあわせて解析した。(5)これまでに、約100遺伝子の発現パターンの解析により、空間的な発現パターンはダイナミックに変化することと、移動体期には5つの、子実体形成期には7つの発現パターンが存在することを明らかにした。(6)有性生殖期の差分化ライブラリーを作製し、その901クローンの配列を解析したところ、約60%が配偶子特異的で、新奇の配列を100個という高効率で取得することが出来た。
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[Publications] Nancy VAN DRIESSCHE: "A transcriptional profile of multicellular development in Dictyostelium disooideum"Development. (in press). (2002)
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[Publications] Hidekazu KUWAYAMA: "PCR-mediated generation of a gene disruption construct without the use of DNA ligase and plasmid vectors"Nucleic Acids Research. 30. e2 (2002)
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[Publications] Takahiro MORIO: "FebA : a gene for eukaryotic translation initiation factor 4E-binding protein (4E-BP) in Dictyostelium discoideum"Biochimica et Biophysica Acta.. 1519. 65-69 (2001)
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[Publications] Hideko URUSHIHARA: "Functional genomics in Dictyostelium discoideum"Molecules and Cells. (in press). (2002)