2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12206003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勉 東京農工大学, 農学研究科, 助教授 (70215812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 宏治 摂南大学, 薬学部, 助手 (70272151)
渡部 一仁 摂南大学, 薬学部, 教授 (20107105)
竹内 道雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (50092490)
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Keywords | 枯草菌 / 胞子形成 / 細胞分化 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究は、枯草菌の全遺伝子を対象に網羅的に解析し、細胞分化の遺伝子ネットワークの全体像を解明することを目的としている。 1.日本の枯草菌研究グループにより作製された、869個の機能未知遺伝子破壊株について胞子形成欠損株のスクリーニングを行い、計16個の新規胞子形成に関与する遺伝子を同定した。さらに、顕微鏡による形態観察により、これらを、胞子形成開始期に停止する株(12株)、中期に停止する株(4株)に分類した。また、一部の遺伝子については機能解析を行い、細胞分化遺伝子ネットワーク上への位置付けも行った。特にyaaT遺伝子に関しては、胞子形成開始期に働く重要な遺伝子であることを明らにした。さらに、バクテリアレベルでのタンパク質の動態情報を時間経過に伴う動画として捕らえる目的で、胞子形成遺伝子産物(GFP融合タンパク質)について、蛍光顕微鏡下での動態観察を行い、既知胞子形成遺伝子spoIIIJ産物、今回見い出されたyaaT産物はいずれも細胞膜側に局在することを明らかにした。 2.枯草菌ゲノムプロジェクトにより存在が明らかにされたyabG遺伝子について遺伝子破壊株のつくるスポアを解析し、この遺伝子がスポアコートタンパク質のプロセシングおよび分解に関わることを明らかにした。精製YabGタンパク質を用いた解析からこのタンパク質はスポア形成期特異的プロテアーゼであることを明らかにした。また、yabG変異スポアのタンパク質について2次元電気泳動により解析し、YabGプロテアーゼの基質の一つであるYrbAタンパク質は合成直後には分子量や電荷の異なるいくつかのポリペプチドとして存在することを明らかにした。このような重要な性質を示すにも関わらず、yabG変異スポアの熱、リゾチーム、クロロホルムに対する抵抗性は野生型スポアと同程度であった。
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