2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12206006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 孝明 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 茂 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50115888)
|
Keywords | メタボローム / ゲノム / ネットワーク / 代謝物 / 代謝 |
Research Abstract |
数nL程度の細胞液中に数十μM以上の濃度で含まれる主要既知代謝中間産物を同時に分離し、それぞれを従来利用されている個別分析法と同程度の高感度で検出・定量する化学分析法の開発を目的として研究をおこなった.分析方法として超微量かつ多成分混合物の一斉分離に適しているキャピラリー電気泳動法(CE)を用いて,有機酸やアミノ酸,糖誘導体など主要代謝産物の標準サンプルを用いて,それらの検出限界やキャピラリーでの挙動,オンライン濃縮の効果をいろいろな分析条件下で測定した.有機酸水溶液をPDAM誘導体とし,SRMM(stacking with reverse migrating micelles)法やsweeping法などのキャピラリー内濃縮をおこなった.これらの手法を組み合わせることによって,完全分離をしながら100倍程度のキャピラリー濃縮に成功した.アミノ酸PTH誘導体については5-10倍の濃縮をすることができた.これらの結果は,μMレベルで存在する代謝物質の分析ができることを示している.枯草菌168株をグルコースあるいはリンゴ酸を炭素源とするS6培地で培養した.対数増殖期に培養液10mlをとり,すばやく集菌,リン酸緩衝液で菌体を洗浄した後,1Mギ酸で代謝物質を抽出した.また,培養液200μlをとり,5M過塩素酸100μlを加えて直ちにドライアイスで凍結させた.ギ酸はCE分析にとって妨害物質であるので,泳動条件の設定は困難であった.未だ分析条件を決定するにはいたっていないし,検出には210nmの紫外分光計を用いたこともあって20個程度のピークしか分離していない.さらに,質量分析計を検出器とするCE分析法についても検討した.現在のところ,まだ十分な検出感度にはいたっていない.
|