2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12206006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 孝明 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 進 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (50115888)
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Keywords | CE / MS / CE / ESI-IontrapMS / CE / ESI-MS / MS / TOFMS / 2次元分離 / LC / CE |
Research Abstract |
メタボローム解析に用いるCE/MSでは,CEの泳動時間とMSで測定される分子量,の2つのパラメータによって代謝物質を同定している.標準物質がある場合にはこの2つのパラメータを決定できるが,ほとんどの代謝物質については標準物質が利用できないので同定は困難である.そこで,MS内部においてイオンを分解して生成するCIDイオンから化学構造情報を得ることができるCE/ESI-MS/MSおよびCE/ESI-Ion Trap法を開発した.これらを用いて約500標準物質についてCIDイオンを測定し,開裂機構を調べた.しかしこの方法でも,CIDイオンから脱離する中性分子m/z28についてCOとC2H4など2つ以上の可能性があるために開裂機構を決定することは困難であった.そこで,新たにCE/ESI-MS/MS/TOFMS法を開発し,CIDイオンの質量を10ppmの精度で測定することに成功した.これに用いてウラシルやシトシンなどの開裂機構を一義的に決定することができた.これらの開裂機構を利用すれば,標準化合物が入手できない代謝物質についても,そのCIDスペクトルから化学構造の推定が可能になると期待できる.代謝反応にかかわる酵素にはアイソザイムが存在する場合が多い,枯草菌におけるリンゴ酸酸化還元酵素4つのアイソザイムのうちそれぞれ1つを欠失した変異株についてメタボローム解析とマイクロアレイ解析をおこなった.その結果,いずれの解析においても異なるプロファイルを示した.これは,単細胞の原核生物においてアイソザイムが異なる生物学的機能を有していることを示した始めての例である.LCとCEの2つの分離方法を組み合わせた,逆相LC/CE2次元分離法を開発し,メタボローム解析に適用した.その結果,イオン性および極性代謝物から非極性代謝物質まで一度に分離することができた.
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