2000 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸バランスを感知し、細胞機能を制御するシステムのプロテオーム解析
Project/Area Number |
12206056
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
米澤 一仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 健一 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (90280792)
原 賢太 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70294254)
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Keywords | アミノ酸バランス / プロテオーム解析 / ラパマイシン / p70S6キナーゼ / 翻訳後修飾 / 質量分析 / リン酸化反応 |
Research Abstract |
(1)プロテオーム解析系の確立:部分精製蛋白質や哺乳細胞のlysate・細胞分画をSDS-PAGEによる1次元電気泳動、あるいは等電点電気泳動と・SDS-PAGEによる2次元電気泳動で展開し、蛋白を分離、染色を施す。スポットを切り出し消化後、得られたペプチドをハイブリッド型質量分析計(Q-TOF)あるいはMALDI-TOF型質量分析計で解析し、検出された質量の値を用いてデータベースから蛋白を同定するという蛋白質のプロテオーム解析系を確立した。MS/MS法を用いたアミノ酸配列の決定法も確立した。 (2)アミノ酸バランスの変化に伴う蛋白発現変動のプロテオーム解析:哺乳細胞をアミノ酸を含む、または含まない培養液で処理後、上記の要領でプロテオーム解析を行なった。しかし、細胞のlysateや細胞分画をサンプルとした場合、画像解析システムで量的変動がみられるスポットはごくわずかであり、また再現性に問題があり、改善が必要と思われた。 (3)アミノ酸バランスの変化に伴うmTORの翻訳後修飾の解析:リン酸化されたmTORを消化し、質量分析計で分析。質量変化に基づき複数のリン酸化部位を同定した。このリン酸化部位に点変異を導入し、mTOR機能に及ぼす影響を検討中である。 (4)今後の展望 哺乳細胞のlysateを2次元電気泳動で分離し、その量的変動を捕らえることはかなり困難であると思われる。今後は、全体の蛋白を相手にするのではなく、ある基準を決定し、それに合致した蛋白群・翻訳後修飾にfocusし、解析法を考える必要性がある。たとえば、アミノ酸変動に伴うリン酸化蛋白質にfocusした解析などを開発していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yonezawa,K.: "Nutritional regulation of gene and protein expression"Curr.Opin.Clinic.Nutri.Metab.Care. 3. 253-254 (2000)
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[Publications] Takahashi,T.: "Carboxyl-terminal region conserved among phosphoinositide-kinase-related kinases is indispensable for mTOR function in vivo and in vitro."Genes to Cells. 5・9. 765-775 (2000)
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[Publications] Avruch,J.: "The p70 S6 kinase integrates nutrient and growth signals to control translational capacity."Progress in Molecular and Subcellular Biology. (in press).