2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12208003
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
森下 真一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90292854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 修 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (40142111)
土井 晃一郎 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (10345126)
瀬々 潤 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (40361539)
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Keywords | ゲノム解読 / 遺伝子予測 / ゲノムアノテーション / 比較ゲノム / RNAi / siRNA / 遺伝子発現量解析 / フェノーム |
Research Abstract |
ゲノム配列の決定により、遺伝子配列に関する知識はより完備な状態に近づくと考えられる。われわれは平成12年度より一貫して、大規模なゲノムデータを高速に解析し、知識発見を促すソフトウエアを研究している。以下、主なテーマと成果を示す (1)ゲノム配列を解読するためのWhole Genome Shotgun Assembler "Ramen"を研究開発し、メダカゲノムの概要配列を決定し公開した。 (2)ゲノム配列をアノテーションするためのゲノムブラウザーUT Genome Browserを開発し、メダカゲノムのアノテーションのために利用し、wwwから公開した。本ゲノムブラウザーは非プログラマによる容易なトラックの作成機能とプログラマによるweb programmingの双方をサポートしており、メダカゲノム以外での利用を広めるため、ソースコードも公開した。URL http://medaka.utgenome.org/ (3)5'SAGE法によりハイスループットで収集した転写開始点情報と、遺伝子予測ツールを組み合わせ、蛋白質の翻訳開始点を予測するソフトウエアを開発した。メダカゲノムのアノテーションに利用し、殆どの遺伝子領域をカバーする成果をあげた。本方式は、完全長cDNA配列の高精度に比べ若干精度は落ちるものの、コストが圧倒的に低く、高速なアノテーションが可能であるという利点をもつ。今後様々なゲノム配列が決定されてゆく中で有用な方法として期待できる。 (4)進化的に離れた種間のゲノムを高感度で比較するためのソフトウエアALPSを開発し公開した。さらにメダカゲノムを中心とした脊椎動物のゲノムを比較し、先祖ゲノムを推定するために利用した。URL http://alps.gi.k.u-tokyo.ac.jp/ (5)標的となるヒト/マウス遺伝子の働きをだけを阻害し、非標的への影響を最小限にとどめるsiRNA配列の設計方法を確立し、ソフトウエアを公開した。URL http://design.rnai.jp/ (6)5'SAGEを使ってヒトゲノム上での転写開始点をハイスループットで収集し、頻度分布を表示したweb serverを公開した。URL http://5sage.gi.k.u-tokyo.acjp/ (7)がん細胞における遺伝子発現データから、臨床情報を特徴付ける手法であるClassified Clustering法を研究開発した。 (8)遺伝子を強制発現させる技術を用いて得られたショウジョウバエ変異体の翅の翅脈に起こる変化を微細なレベルで検出する画像処理ソフトウエアを研究開発した。その結果、遺伝子強制発現により、ショウジョウバエの変異体の約3分の2について統計学的に非常に有意な変化が起こっていることを厳密に立証することができた。
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Research Products
(6 results)