2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子・タンパク質系ダイナミクスの非線形システム的理解
Project/Area Number |
12208004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 斉志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究か, 助教授 (40302773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 夏洋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70302750)
合原 一幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究か, 教授 (40167218)
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Keywords | 遺伝子ネットワーク / DNAマイクロアレイ / 遺伝的アルゴリズム / 非線形ダイナミクス / 安定性解析 / 分岐解析 / 人工遺伝子ネットワーク / 遺伝的プログラミング |
Research Abstract |
遺伝子ネットワークを非線形システム的に理解するために、遺伝子ネットワークモデルを設計するという構成的手法によって研究を進めた。特に遺伝子治療等における人工遺伝子ネットワークによる遺伝子発現の動的制御を目指して、発現パターン遷移から遺伝子相互作用を決定するような、発現ベースのネットワーク設計法を開発した。具体的には連続時間スイッチングネットワークをモデルとして、与えられた発現時系列パターンを実現するようなネットワークを設計する方法を提案した。また既知のネットワーク構造を固定し、その発現を制御するように部分ネットワークを付加する方法を開発した。さらに、遺伝子・タンパク質ネットワークの非線形ダイナミクスの理論解析手法として、特に時定数の差と時間遅れの効果に着目して、安定性解析手法および分岐解析手法を構築するとともに、その結果を遺伝子・タンパク質ネットワークの振動現象やスイッチング現象に応用した。 また、DNAマイクロアレイによって得られる遺伝子の発現時系列データを用いて、遺伝子制御ネットワークを対話的に推定するアプローチを提案した。このシステム(Ginger)では、与えられた発現データをもとにネットワーク構造を推定し、複数の解候補の対応するパラメタを比較することで、制御関係が曖昧な特定の遺伝子間についてユーザにデータあるいは探索制約を要求する。ユーザはそれに基づいて新しいデータあるいは仮定の下での制約を与えて再び推定を行う。これを繰り返すことで出来る限り少ないデータ量で正確なネットワークを推定するというものである。実験の結果、提案手法によってヒューリスティクスの導入や戦略的なデータ取得が可能になり、従来手法と比較して、より柔軟で効率的な推定が実現された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Nikolay, H.Iba: ""Regularization Approach to Inductive Genetic Programming""IEEE Trans. Evolutionary Computation. 5・4. 359-375 (2001)
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[Publications] N.Nikolay, H.Iba: ""Accelerated Genetic Programming of Polynomials""Genetic Programming and Evolvable Machines. 2・3. 231-257 (2001)
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[Publications] L.Chen, K.Aihara: ""Stability and bifurcation analysis of differential-difference-algebraic equations""IEEE Trans. Circuits and Systems-I : Fundamental Theory and Applications. 48・3. 308-326 (2001)
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[Publications] 伊庭斉志: "遺伝的プログラミング入門"東京大学出版会. 262 (2001)
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[Publications] 伊庭斉志: "遺伝的アルゴリズムと進化のメカニズム"岩波書店. 82 (2002)