2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12208005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
美宅 成樹 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10107542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園山 正史 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教授 (40242242)
倭 剛久 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90251587)
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)
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Keywords | 膜タンパク質 / アミノ酸配列 / 膜組み込み装置 / 分子認識 / シグナルペプチド / 計算機シミュレーション / 光受容膜タンパク質 / ポリンチャネル |
Research Abstract |
ゲノム全体から得られるアミノ酸配列すべてを解析し、未知配列も含め膜タンパク質に関する情報を得るためのソフトウエアシステムを開発した。アミノ酸配列の持つ物理化学的な性質の粗視化を行い、膜組み込みシステムが行っている分子認識のメカニズムを推定しながら膜タンパク質やシグナルペプチドなどの予測を行った。(1)シグナルペプチドに特異的なアミノ酸インデックスを開発した。(2)より詳細な疎水性、両親媒性の分布を検討し、膜タンパク質予測の精度を向上させた。(3)タンパク質のミトコンドリアへのターゲッティングを予測する方法を開発した。(4)ゲノム解析によるアミノ酸に対する膜タンパク質予測で、膜タンパク質の割合は一定であるということ、膜貫通ヘリックス本数分布の特徴などについて進化的な意味合いを考察した。(5)光受容膜蛋白質の機能発現機構を明らかにするために、量子化学計算と分子動力学シミュレーションを組み合わせて計算を行った。(6)もう一つの機能シミュレーションとして、大腸菌外膜ポリンチャネルについて計算機シミュレーションを行い、開閉機構について調べた。 5年間で得られたもっとも重要なことは、膜タンパク質という一見非常に複雑な高分子の構造形成に関する非常に単純な側面を見ることができたことである。アミノ酸配列の中に色々なシグナルの配列が重層的に書き込まれているのだが、物理化学的な性質のそしかによって、高精度の膜タンパク質の予測やシグナルペプチド予測が可能となった。この研究を契機に、今後アミノ酸配列から膜タンパク質だけではなく、水溶性タンパク質の構造情報の抽出、各オルガネラへの局在化の問題など多くのタンパク質に関する研究に生かされ、高速高精度予測につながり、アミノ酸配列から階層的システムバイオロジーへとつながると期待される。
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Research Products
(20 results)