2001 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質立体構造情報からのゲノム機能解読・進化の解析
Project/Area Number |
12208006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 邦嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10011686)
白井 剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00262890)
由良 敬 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 研究員 (50252226)
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Keywords | ゲノム機能予測 / 3Dキーノート / サブユニット相互作用 / らん藻ゲノム / タンパク質-糖鎖予測 / タンパク質立体構造予測 / 疎水核 / タンパク質フォールディング |
Research Abstract |
ゲノム上のイントロン位置とタンパク質のモジュール境界との相関に関して、ゲノム情報に基づく大規模な解析を行ったところ、イントロンの数が増えるに従って、統計的に有意な相関が一層明確になった(郷、由良)。タンパク質間相互作用の実態を明らかにするために、立体構造既知の蛋白質におけるサブユニット間相互作用をヘモグロビンで解析した。サブユニット間相互作用が生物種によって、非常に多様であるのは、中立的なアミノ酸置換でも、サブユニット接触面を新たに形成するに十分であるためだとわかった(郷)。この結果は、プロテオームにおける相互作用を、安易に生物種を越えて普遍化することへの注意を呼んだ(郷)。 あるORFの機能を3Dキーノートの方法により予測できたことをうけ、各種の機能の3Dキーノートの自動作成方法を確立した。196種類の3Dキーノート作成に成功し、それらの予測精度を評価したところ、平均約85%の精度を持つことがわかった。らん藻全ゲノムに3Dキーノートを適用したところ、機能未知ORFの約12%に機能を推定する手がかりが得られた(由良、郷)。 タンパク質-糖鎖予測プログラムを作成しテストを行った。45個の糖鎖-タンパク質複合体の、GLC、NAG、GAL、MAN周辺のタンパク質原子分布を経験則とし、検体タンパク質内で経験則と一致度の高い原子配置を探索した。このプログラムは、プライマリサイトを40%の効率で検出することができた(RMSD<3Å)(白井)。 全ファミリ代表タンパク質の疎水核候補残基について,残基空間配置,原子充填密度,1次構造上の分布,モジュール境界との相関等の構造特性を明らかにした。さらに、疎水核候補残基のトポロジーが分子鎖のそれの簡約表現になることを見出し,疎水核が折畳過程でも重要であり,立体構造予測の有力な指標となり得ることを確かめた(曽田)。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] Shionyu, M.et al.: "Variable subunit contact and cooperativity of hemoglobins"J.Mol.Evol.. 53. 416-429 (2001)
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[Publications] Taniguchi, Y.et al.: "Two KaiA-binding domains of cyanobacterial circadian clock protein KaiC"FEBS Lett.. 496. 1-5 (2001)
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[Publications] 由良 敬, 郷 通子: "POUドメイン"生体の科学 モチーフ・ドメインリスト. 52・5. 384-385 (2001)
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[Publications] 白井 剛, 郷 通子: "リボヌクレアーゼ様ドメイン"生体の科学 モチーフ・ドメインリスト. 52・5. 392-393 (2001)
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[Publications] 由良 敬, 郷 通子: "ジンクフィンガードメイン"生体の科学 モチーフ・ドメインリスト. 52・5. 394-395 (2001)
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[Publications] 郷 通子: "蛋白質立体構造情報からのゲノム機能解読・進化の解析"蛋白質核酸酵素 増刊号「ゲノムサイエンスの新たなる挑戦」. 46・16. 2586-2591 (2001)
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[Publications] 白井 剛: "タンパク質の構造予測とフォールド進化"日本結晶学会誌. 44(印刷中). (2002)
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[Publications] Shirai, T.et al.: "Crystal structure of alklaine cellulase K : insight into the alkaline adaptation of an industrial enzyme"J.Mol.Biol.. 310. 1079-1087 (2001)
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[Publications] Hiragi, Y.et al.: "Direct detection of the protein quaternary structure and denatured entity by a small angle scattering method : guanidine hydrochloride denaturation of chaperonin protein GroEL"J.Appl.Cryst.. 35. 1-7 (2002)
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[Publications] Seki, Y.et al.: "Contribution of solvent water to the solution X-ray scattering profile of proteins"Biophys.Chem.. 94(印刷中). (2002)
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[Publications] 郷 通子(分担執筆): "生物と金属 金属イオンの生体内で働く仕組み"クバプロ. 207 (2001)