2002 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質立体構造情報からのゲノム機能解読・進化の解析
Project/Area Number |
12208006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 邦嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10011686)
白井 剛 生物分子工学研究所, 生命情報解析部門, 主任研究員 (00262890)
高橋 健一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20322737)
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Keywords | タンパク質-リガンド相互作用 / Het PDB-Navi / 3Dキーノート / ヒトゲノムアノテーション / 選択的スプライシング / すき間 / タンパク質-糖鎖相互作用 / 疎水核 |
Research Abstract |
蛋白質に結合したヘテロアトムをPDBから検索し、3次構造上に表現するデータベースHetPDB-Naviを公開、毎月更新しているが、世界中から多くの研究者がアクセスしている。PDBからの要望によりPDBにリンクされた。またNucleic Acids Researchのデータベース集に登録された(郷)。 3Dキーノートをヒトゲノムアノテーションに利用し、機能情報の全くないORFの機能推定に貢献した。アノテーション結果は論文(投稿中)、データベースとして公開される(郷)。 選択的スプライシングは蛋白質の立体構造レベルでどういった効果を及ぼすか、ヒトゲノムから産生される蛋白質について大規模に解析した結果、立体構造を壊すものが多いことが明らかとなった(郷、高橋)(論文投稿中)。 機能に関係する立体構造上の特徴として蛋白質内部のすき間に注目し、その進化的保存性の解析を行った。少なくとも7割弱のタンパク質ファミリー内に共通のすき間を発見した(高橋)。 糖鎖-タンパク質相互作用予測法の開発と構造生物学的研究を行った。予測効率は、厳密評価で25%、ゆるやかな評価で66%であり、既存の方法よりかなり向上していた。構造解析に関しては、コンジェリン(ガレクチン)と種々の糖鎖複合体の構造解析を行い、上記のプログラムで予測された糖結合部位が実在することを実験的に証明した(白井)。 蛋白質の折り畳みにおける疎水核と分子鎖トポロジーの効果を調べるために、(1)疎水核の自動同定プログラムで決めた疎水核残基からなる仮想ペプチド鎖について分子動力学シミュレーションを行い、疎水性凝集体の急速な生成を見出した。蛋白質の折り畳みにおける疎水性凝縮の重要性が強く示唆された。(2)立体構造既知の蛋白分子のペアについて、分子鎖のトポロジーの相同性を自動評価するプログラムを開発した(曽田)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamaguchi, A. et al.: "Enlarged FAMSBASE : 3D protein structure models of genome sequences for 41 species"Nucleic Acids Research. 31・1. 463-468 (2003)
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[Publications] Shirai, T. et al.: "Crystal structure of a conger eel galectin (congerin II) at 1.45 A resolution : Implication for the accelerated evolution of a new ligand-binding site following gene duplication"J.Mol.Biol.. 322. 879-889 (2002)
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[Publications] Ogawa, T. et al.: "Adaptive evolution of conger eel galectins"Trend Glyco. 14. 177-187 (2002)
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[Publications] Seki, Y. et al.: "Contribution of solvent water to the solution X-ray scattering profile of proteins"Biophysical Chemistry. 95. 235-252 (2002)
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[Publications] 由良 敬, 郷 通子: "モジュールに基づく機能予測-3Dキーノート"蛋白質核酸酵素. 47・8. 1090-1096 (2002)
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[Publications] 郷 通子: "遺伝子構造の進化とプロテオーム解析"学術月報. 55・15. 1141-1147 (2002)
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[Publications] 郷 通子(分担執筆): "「生命の起源と進化の物理学」ニューバイオフィジックス(シリーズ2)"共立出版. 231 (2003)