2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12208007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40263149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 達也 京都大学, 化学研究所, 教授 (90261859)
佐藤 賢二 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (10215783)
服部 正泰 京都大学, 化学研究所, 助手 (60372554)
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Keywords | データベース / バイオインフォマティクス / オントロジー / アルゴリズム / 分子間相互作用 / 反応ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、生体分子の情報を相互作用という観点からデータベース化し、そこから新た生物学的知見を得るための方法論を開発してきた。その際、従来のゲノム研究の中心であった遺伝子やタンパク質の情報だけでなく化合物の情報も扱えるようにすること、多種多様なデータベースの情報を統合的に扱えるようにすることが重要となってくる。生体分子の相互作用をデータベース化しておくと、各種生物種の分子間相互作用の全体像をネットワークとして表現することができるので、本年度はこのネットワークの解析をいくつか行った。まず代謝系を酵素のネットワークとして表現し、各酵素の生物種保存度に基づいてモジュールを抽出し、モジュールの進化と機能について考察した。また、代謝系は代謝化合物のネットワークとして表現することもできるので、このネットワークと酵素のネットワークとしてみたときの代謝系のトポロジーの関係を理論的に導いた。 ゲノム情報と化学情報の統合という観点からは、既に構築している糖鎖情報のデータベースと化学反応データベースに対する解析機能の強化を行なった。糖鎖情報データベースに対しては構造検索用のWebインターフェースを構築し公開した。また、反応データベースに登録されている各反応に対し、基質と生成物の比較による反応タイプを定義した。これにより、与えられた反応がデータベース中のどの反応と同じタイプかを検索できるようになった。これを用いて、反応から酵素番号、さらには対応する遺伝子を予測するシステムも開発した。これらの成果はhttp://www.genome.jp/kegg/ligand.htmlから参照できるようになっている。 データベース検索アルゴリズムという観点からは、既にデータベース化されている検索結果を利用することにより、最も精度のよいホモロジー検索アルゴリズムであるSmith-Waterman検索を高速化するアルゴリズムを開発した。また、複数の遺伝子ネットワークから遺伝子間の機能的相関を精度よく求めるためのアルゴリズムを実装した。このWebインタフェースは現在開発中であり、来年度早々に公開できる予定である。
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