2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12208048
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
皿井 明倫 理化学研究所, 細胞材料室, 副主任研究員 (20221286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRABAKARAN Ponraj 理化学研究所, 細胞材料室, 訪問研究員
SELVARAJ Samuel 理化学研究所, 細胞材料室, 共同研究員
|
Keywords | 蛋白質 / DNA / 特異的認識 / 構造・機能相関 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子発現の制御にとって重要な役割を果たしている蛋白質とDNA配列の特異的認識について、構造情報を用いることにより定量的に解析し、構造と機能の関係を明らかにすることを目的とする。また、この結果をゲノムレベルでの転写因子のターゲット予測に応用する。まず、蛋白質・DNA複合体の構造データベース中の塩基とアミノ酸の相互作用を統計解析することにより、それらの間の経験的相互作用ポテンシャルを導出する。このポテンシャルを用いて実際の蛋白質・DNA複合体に対して全体の相互作用ポテンシャルに相当するものを計算する。次に、複合体中のDNA配列を多くのランダムな配列に置き換えて相互作用ポテンシャルを計算し(threading)それと比較することにより、複合体中の特異DNA配列に対する相互作用の特異性スコア(Z-score)を計算する。これまでに、まず、最新の構造データを用いて相互作用ポテンシャルの更新を行った。蛋白質・DNA複合体をいくつかのクラスに分類し、重複を除いたデータセットを作成した。これらのデータセットを用いてポテンシャルを再計算し、新たなZ-scoreを計算した。この新たなポテンシャルを用いて、構造と特異性の相関について解析した。協同性の解析では、複数の蛋白質がDNAに結合している複合体について特異性を計算し、単独で結合している場合と比較することにより、協同性がどのように特異性を高めているかを詳しく解析した。さらに、DNAまたは蛋白質が単独の場合に比べて構造変形している複合体について、構造変形と特異性の相関関係を系統的に解析した。また、threadingにおけるDNAの配列依存性の効果や構造のrelaxationの効果についても考察をすすめている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Sayano,H.Kono,M.Gromiha,A.Sarai: "Multicanonical Monte Carlo Calculation of Free-Energy Map for Base-Amino Acid Interaction"J.Compt.Chem.. 21. 954-962 (2000)
-
[Publications] A.Sarai,H.Kono: "DNA-Protein Interactions : Target Predictions"Handbook of Computational Biology 2001. (in press).
-
[Publications] 河野秀俊,皿井明倫: "DNA結合タンパク質のターゲット認識の予測"生物物理. 229. 162-166 (2000)