2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12210005
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
井原 康夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60114386)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 真帆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50204722)
舟本 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10345043)
宮坂 知宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90342857)
伊藤 守 実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
藤田 忍 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
|
Keywords | アルツハイマー病 / タウ蛋白 / 神経原線維変化 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
1.タウ蛋白の凝集と神経細胞死のメカニズムを解明するために、FTDP-17に見られるP301L、R406W変異タウを発現するモデル動物を作製し、解析した。 (1)P301L変異タウを発現するトランスジェニックマウス、24ヶ月齢の加齢マウスの脳について、組織化学的解析およびタウ抗体を用いた免疫組織学的解祈を行ったが、トランスジーンによる神経細胞の変化やタウの沈着は見られなかった。 (2)P301L、R406W変異型タウを線虫のmechanosensory neuronに特異的に発現させることにより、加齢とともに神経細胞の機能異常(touch sensitivityの低下)が起こるモデルを作製した。神経細胞の形態学的解析を行い、神経機能の障害が生じる時期には、蛇行、異常分岐、縮れなど、神経突起の形態異常が認められるが、神経細胞は残存していること、機能低下よりかなり遅れて神経細胞が消失することを見出した。この時、一部の変性神経細胞内には異常なタウの蓄積が認められ、電顕的に微小管の消失が観察された。従って、神経細胞死に至る以前の突起変性を生じた段階で、すでに神経細胞の機能障害が起こっていることが明らかになった。 (3)全神経細胞にタウを発現させた線虫モデルにおいても、変異型タウの発現に依存して行動異常(uncoordinated locomotion)が認められた。現在、神経細胞の機能異常と変性に関与する因子を探索するために、この線虫を用いてgene chipによる網羅的解析を遂行中である。 2.神経原線維変化内に蓄積するタウは、その多くがN末端側を切断されている。この切断のメカニズムとして、タウのアスパラギン残基のイソ化反応が関与している可能性を見出した。
|
Research Products
(7 results)