2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12210014
|
Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
津本 忠治 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50028619)
|
Keywords | 大脳 / 視覚野 / 発達 / 神経栄養因子 / GABAニューロン / 抑制性シナプス / 細胞移動 / 緑色蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
大脳皮質神経回路の入力依存的発達には抑制性伝達物質(γ-aminobutyric acid)GABAが関与していると考えられているが、本年度は、脳由来神経栄養因子(BDNF)が、GABAニューロンの発達にどのような影響を与えるかの解明を試みた。また、大脳皮質神経回路の形成にはGABAニューロンの移動を伴うことが最近明らかとなったが、GABAニューロンの移動性は興奮性ニューロンと異なるかをGABAニューロンが緑色蛍光を発するGAD67-GFPノックインマウスを使って調べた。 その結果、本年度は以下の知見を得た。 1)1個のGABAニューロンをグリア微小島の上で培養する孤立細胞培養標本を使って、BDNFを10日〜2週間程長期投与した場合、GABAニューロンの発達がどのような影響を受けるかを調べた。その結果、形態学的には細胞体や樹状突起の発達を促進し、また機能的にはGABA性シナプス伝達を強化した。 2)GABAニューロンが緑色蛍光を発するように遺伝子を改変したマウスの大脳皮質視覚野神経細胞の、初代分散培養標本を作成し、緑色蛍光を発するGABAニューロンと無色の興奮性ニューロンの動きを同時に観察した。その結果、GABAニューロンの方が興奮性ニューロンより移動性が高いことが明らかとなった。 3)以上の結果により、抑制性ニューロンと興奮性ニューロンでは神経栄養因子に対する感受性や移動性に大きなちがいのあることが明らかとなった。
|
Research Products
(5 results)