2003 Fiscal Year Annual Research Report
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12210019
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西道 隆臣 独立行政法人理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, チームリーダー (80205690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 修永 独立行政法人理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, 副チームリーダー (70246213)
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Keywords | アルツハイマー病 / βアミロイド / ネプリライシン / カルパイン / カルパスタチン / カスパーゼ |
Research Abstract |
1.実質におけるβアミロイド分解システムの同定と制御 Aβ分解酵素ネプリライシンの活性を利用して脳内Aβを除去する試みとして、初代培養神経細胞にネプリライシンを過剰発現させることにより細胞外のみならず細胞内のAβレベルが低下することを示した。さらに、動物組織にネプリライシンを発現するために長期間に渡って発現を維持しかつ病原性の低いウイルスベクターを開発し、これを用いてマウス脳内に持続的にネプリライシンを発現させたところ、Aβの定常量を低下させるとともに、病理学的蓄積を抑制することを確認した。 神経細胞特異的なリガンド-レセプターシステムを利用してネプリライシンの発現制御を行う目的で、初代培養神経細胞に様々なペプチド性リガンドを添加してネプリライシン活性の増減を指標に網羅的な検索を行い、ソマトスタチンがネプリライシンの発現を誘導することを認めた。 ネプリライシンの活性低下のアルツハイマー病病理に対する作用を検討するために、アミロイド前駆体蛋白質を過剰発現するトランスジェニックマウスとネプリライシンノックアウトマウスの交配を行い、生化学的解析を開始した。ネプリライシンの活性の低下に伴って、トランスジェニックマウスにおいてもAβの定常量が増加するとともに神経可塑性が低下することを確認した。 家族性のAβアミロイドーシスの原因となるAPP変異(Dutch, Flemish, Arctic, Italian)が、Aβをネプリライシン依存的分解に対して耐性にすることを見いだした。ネプリライシン依存的分解の低下がAβ蓄積の原因となりうることを示唆している。 2.神経細胞質内プロテアーゼ群の病理作用の解析 神経細胞における細胞内プロテアーゼ群(カスパーゼどカルパイン)のin vivoにおける機能を明らかにするために、それぞれに対応する特異的阻害蛋白質を成熟中枢神経細胞特異的に発現するトランスジェニック動物を作成を試みた。カスペースについては、バキュロウィルス由来のp35のトランスジェニックマウスを作成し、カルパインについてはカルパスタチンのトランスジェニックマウスを作成した。これらのマウスを用いて、成熟脳における興奮性神経毒カイニン酸の神経変性作用を検討したところ、P35には抑制作用が全くないのに対して、カルパスタチンは有意に抑制した。このことは、成熟脳の神経細胞死において作用する主要な細胞内プロテアーゼ系は、カスパーゼではなくカルパインであることを強く示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwata N., Mizukami H., Shirotani K., Takaki Y., Muramatsu S., Lu B., Gerard N.P., Gerard C., Ozawa K., Saido T.C: "Presynaptic localization of neprilysin contributes to efficient clearance of amyloid-β peptide in mouse brain"J.Neurosci.. 24. 991-998 (2004)
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[Publications] Tsubuki S., Takaki Y., Saido T.C: "Dutch, Flemish, Italian, and Arctic mutations of APP and resistance of Aβ to physiologically relevant proteolytic degradation"Lancet. 361. 1957-1958 (2003)
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[Publications] Wang D.S., Iwata N., Hama E., Saido T.C., Dickson D.W: "Oxidized neprilysin in aging and Alzheimer's disease brains"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 310. 236-241 (2003)
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[Publications] Yokota M., Saido T.C., Kamitani H., Tabuchi S., Satokata I., Watanabe T: "Calpain induces proteolysis of neuronal cytoskeleton in ischemic gerbil forebrain"Brain Research. 984. 122-132 (2003)
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[Publications] Zhang J., Miyamoto K., Hashioka S., Hao P.H., Murao K., Saido T.C., Nakanishi H.: "Activation of μ-calpain in developing cortical neurons following methylmercury treatment"Develop.Brain Research. 241. 105-110 (2003)
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[Publications] Rami A., Volkmann T., Agarwal R., Schoninger S., Nurnberger F., Saido T.C., Winckler J: "β2-adrenergic receptor responsiveness if the calpain-calpastatin system and attenuation of neuronal death in rat hippocampus after transient global ischemia"Neurosci.Res.. 47. 373-382 (2003)