2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入で形質変換させた上衣細胞の移植による中枢神経の再生
Project/Area Number |
12210083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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Keywords | 脈絡叢上衣細胞 / ブリア細胞 / バリアー形成 / 栄養因子 / 遺伝子導入 / 移植 |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究で、ラットの脈絡叢上衣細胞を脊髄後索に移植することによって、後索線維の再生が促進される事を明らかにした。この細胞は培養系においても、共培養された脊髄後根神経節ニューロンの突起伸長促進作用を持つことを明かにした。脈絡叢上衣細胞の移植によっても再生軸索を損傷部位を越えて、さらに先の宿主組織内に進入させる事が出来ない。これは一般に中枢神経再生の大きな問題点である。損傷部分と宿主の正常組織との間に機能的なバリアーが形成されるわけで、このバリアーの形成を抑制することが中枢神経再生を実現させる大きな鍵となるものと考えられる。この問題に対して、最近ニューロトロフィンがバリアーの形成を抑制するという研究が発表されている。この研究から、我々はニューロトロフィンを強制分泌させた脈絡叢上衣細胞の移植によって、バリアーの形成を抑制できるのではないかと考えた。導入すべき遺伝子としてBDNFとNT-3を選んだ。これらの遺伝子の全長をクローニングし、プロモーターを備えたプラスミドのコンストラクトを作成した。ここ迄は達成されたが、プラスミドをアデノウイルスに組み込んで増殖させることが出来ないで足踏みしている。最初の計画では、遺伝子を組み込んだアデノウイルスを第四脳室に注入して脈絡叢上衣細胞に感染させることによってニューロトロフィンの遺伝子を上衣細胞に導入し、そのような遺伝子導入された上衣細胞を移植する。これによって、再生軸索が損傷部位を越えて宿主の組織に進入できるのではないかと考える。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ide,C.,Chakratortty,S, et al.: "Grafting of choroid plexus ependymal cell promotes the growth of regenerating axons in the dorsal funicular of rat spinal cord"Exp.Neurol. 167. 242-251 (2001)
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[Publications] Chakratortty,S.,Kitada,M, et al.: "Choroid plexus eperdymal cells enhance the newsite outgrowth from dorsal roat ganglion newrons in vitro"J.Neurocytal. (印刷中).
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[Publications] Shirasu,M.,Kimura,K., et al.: "VAMP-2 promotes newsite elongation and SNAP-25A increases newsite sprouting in PC12 cells"Neurolic.Res. 37. 265-275 (2000)
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[Publications] Nishida,A.,Takahashi,M., et al: "Incorporation and differentiation of neural stem cells transplanted in injured rat retina"Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.. 41. 4268-4274 (2000)
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[Publications] 井出千束: "神経再生とグリア細胞"Clin.Neurosu. 18. 32-34 (2000)
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[Publications] 井出千束: "脳神経科学(伊藤正男監修)"三輪書店(印刷中).
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[Publications] 溝口明,井出千束: "脳神経科学(伊藤正男監修)"三輪書店(印刷中).