2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索・樹状突起の運命決定と神経細胞の極性形成機構
Project/Area Number |
12210109
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 名古屋大学, 医学部, 教授 (00169377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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Keywords | CRMP-2 / 神経軸索 / 樹状突起 / 極性形成 / 微小管 |
Research Abstract |
神経細胞の軸索と樹状突起は分化にともなってminor processesと呼ばれる共通の突起より生じる。しかし、このminor processesがどのようにして軸索あるいは樹状突起へと決定づけられるのかは不明である。我々はcollapsin response mediator protein-2(CRMP-2)を一次培養海馬神経細胞に過剰発現させると、神経細胞の軸索が複数形成されることを見出した。一方、CRMP-2のドミナントネガティヴ変異体を発現させると、軸索の形成が阻害されて樹状突起のみを持つ神経細胞が生じた。さらに、成長しつつある軸索の遠位側に内在性CRMP-2が濃縮して存在することも明らかにした。以上の結果は、CRMP-2がminor processesから軸索への運命決定に必要かつ十分であり、CRMP-2の細胞内分布が神経細胞の極性形成に重要な役割を果たす可能性を示唆する。 本研究ではCRMP-2による軸索運命決定の作用機構を明らかにするためにCRMP-2結合蛋白質の同定をyeast two hybrid法およびアフィニテイークロマトグラフィー法により試み、いくつかの候補蛋白質を得た。そのうちの一つはα/β-チューブリンからなる微小管であった。神経細胞において微小管は細胞骨格およびvesicleの輸送路として極性形成に重要な役割を果たしていると考えられている。すでに、CRMP-2が微小管と結合することにより、微小管のassemblyを促進することを見出している。本年度の我々の以上の成果は神経細胞の極性形成機構を理解する上で極めて重要である。したがって、本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Arimura: "Phosphorylation of collapsin response mediator protein-2 by Rho-kinase"J.Biol.Chem.. 275. 23973-23980 (2000)
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[Publications] N.Inagaki: "Activation of Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase II within post-synaptic dendritic spines"J.Biol.Chem.. 275. 27165-27171 (2000)
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[Publications] M.Amano: "Purification and in vitro activity of Rho-associated kinase"Methods Enzymol.. 325. 149-155 (2000)
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[Publications] M.Sone: "Synaptic development is controlled in the periactive zones of drosophila synapses"Development. 127. 4157-4168 (2000)
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[Publications] N.Nakamura: "Phosphorylation of ERM proteins at filopodia induced by Cdc42"Genes Cells. 5. 571-581 (2000)
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[Publications] T.Izawa: "Elongation factor-1alpha is a novel substrate of rho-associated kinase"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 278. 72-78 (2000)