2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム維持機構におけるATMファミリーの機能とその異常による発がん機構の解析
Project/Area Number |
12213051
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 健一 金沢大学, がん研究所, 教授 (60115285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘子 金沢大学, がん研究所, 助手 (20126585)
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Keywords | ゲノム維持 / シグナル伝達 / ノックアウト / ATM / アポトーシス / 放射線 / 活性酵素 / c-abl |
Research Abstract |
本研究の主要な研究目的は,DNA損傷に対する細胞応答における,ATM(Ataxia Telangiectasia Mutated)蛋白,ATMの上流と下流に働いている蛋白,およびATMファミリーのATRの役割を明らかにすることである.これらの蛋白の機能を細胞レベルで明らかにする目的で,我々はトリB細胞株(DT40)を用いて遺伝子をノックアウトする方法を用いた.この方法により,我々は,p53はATMの重要な標的因子の一つではあるが,多くのATMの重要な機能はp53に依存していないことを明らかにした.また,二重ノックアウト細胞を用いることにより,我々は,ATMのもう一つの重要な標的因子のc-Ablは,放射線によって誘導されたアポトーシスに重要な役割を果たしているが,ゲノム維持におけるATMの機能には必須ではないことも明らかにした.最後に,我々は,DNA損傷以外に活性酸素種に対する細胞応答にもATMが重要な役割を果たしていることを明らかにした.今後我々は,differential display等の方法を用いて,ATMの下流の標的因子の同定を進める.さらに,ATMノックアウト細胞に種々のATM変異体を導入し,その表現型を調べることにより,ATMの新しい機能ドメインを同定したいと考えている.また,活性酸素種に対するATMの保護的役割についての研究をさらに進め,Ataxia Telangiectasia患者での高発がんや小脳のプルキンエ細胞アポトーシスとATMとの関連を分子レベルで明らかにしたいと考えている.最後に,ATRの機能についても研究を進めたいと考えているが,ATRのノックアウトが致死的であったため,conditionalノックアウトや,温度感受性変異体のノックインを試みている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takao,N. et.al.: "c-Abl tyrosine kinase is not essential for the function of ATM in chromosomal maintenance."J.BIol.Chem.. 275. 725-728 (2000)
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[Publications] Morrison,C., et.al: "The controlling role of ATM in recombinational repair of DNA damage."EMBO J.. 19. 463-471 (2000)
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[Publications] Takao N. et.al.: "Protective roles for ATM in cellular response to oxidative stress"FEBS Lett.. 472. 133-136 (2000)
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[Publications] Ikeda,A. et.al.: "p300/CBP-dependent and-independent transcriptional interference between NF-κB RelA p53."Biochem.Biophys.Res.Comm.. 272. 375-379 (2000)
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[Publications] Ito.M. et.al.: "Isoforms of JSAP1 scaffold protein generated through alternative splicing."Gene. 255. 229-234 (2000)
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[Publications] Kuboki,Y., et al.: "A scaffold protein in the c-Jun NH2-terminal kinase sibnaling pathways suppresses the extracellular signal-regulated signaling pathways."J.BIol.Chem.. 275. 39815-39818 (2000)