2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪倉 長平 京都府立医科大学, 外科助手
伊藤 公成 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00332726)
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Keywords | RUNX1 / RUNX2 / RUNX3 / 16染色体逆位 / 急性骨髄性白血病 / 胃がん / がん制御遺伝子 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
ショウジョウバエのrunt遺伝子の哺乳類ホモログは3種ありRuNX1、RUNX2、RUNX3と呼ばれる。RUNX1はAML1とも呼ばれこの遺伝子の異常は急性白血病の30%の原因となっている。我々はRUNX1の異常、特に点突然変異がどのように白血病原性に関与するかを調べる目的でヘテロ接合性にRUNX1の機能消失型変異を持つ家系を解析した。その結果点突然変異により形成される分子がドミナントネガティブとして機能する程度が強ければ強いほどそれを持った個人が白血病になる可能性が高いことが判明した。RUNX1とヘテロ二量体を形成するβサブユニット、PEBP2β、をコードする遺伝子も16染色体逆位の結果N端にβサブユニットを持つキメラたんぱく質、β/SMMHC、を形成し急性骨髄性白血病の原因となる。この分子の白血病原性を解析した。RUNX1とPEBP2βは共発現してだけでは二量体を形成せずこの二量体形成過程が制御されている。しかしβ/SMMHCはこの制御機構を凌駕し容易に二量体を形成する。この原因がPEBP2βはRUNX1と1ヶ所で相互作用するのに対しβ/SMMHCは独立した2ヶ所でRUNX1と相互作用するためであることが判明した。この結果β/SMMHCによる白血病原性の分子機構の基盤が明らかになった。従来RUNX3の機能は不明であったが、我々はこれが胃がんの発生と進行に関与する主要ながん抑制遺伝子であることを発見した。即ち胃がんの45-60%でこの遺伝子の発現が低下していたがこれはDNAメチル化が原因であった。我々は胃がんにおいて機能消失型変異を一種見つけたが、これはヌードマウスアッセイでがん抑制機能を失っていた。しかしこの変異は稀で大部分の場合は変異は検出されなかった。今後RUNX3の胃がんにおける関わりをより深く追及する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Q.-L.Li: "Causal relationship between the loss of RUNX3 expression and gastric cancer"Cell. 109 April 5issue(未定). (2002)
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[Publications] Osato, M.: "Point Mutations of the RUNX1/AML1 gene in Sporadic and Familial Myeloid Lenkemias"J.Hematology,. 74. 245-251 (2001)
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[Publications] Michaud, J.: "In vitro analyses of known and novel RUNX1/AML1 mutations in dominant familial platelet disorder with predisposition to acute myelogenous : implications for mechanisms of pathogenesis"Blood. 99. 1364-1372 (2001)
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[Publications] Huang.G.: "Dimerization with PEBP2β protects RUNX1/AML1 from ubiquitin-proteasome mediated degradation"EMBO J.. 20. 723-733 (2001)
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[Publications] Yokomizo.T.: "Requirement of Runx1/AML1/PEBP2αB for the generation haematopoietic cells from endothelial cells"Genes Cells. 6. 13-23 (2001)