2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復能欠損メラノサイトを用いた再構築皮膚での紫外線によるメラノーマ形成誘導
Project/Area Number |
12213080
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
船坂 陽子 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (30209150)
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Keywords | 色素性乾皮症 / DNA修復能 / 紫外線 / メラノーマ / メラニン |
Research Abstract |
A.要約:紫外線によるDNA修復能を欠損する色素性乾皮症A群患者皮膚よりメラノサイトを単離、培養することに成功した。正常メラノサイトとの比較において、中波長紫外線(UVB)領域でapoptosisがより少量の紫外線量で誘導されたのに対し、長波長紫外線(UVA)頷域では、細胞死の動態は正常メラノサイトとの間で差を認めなかった。異なるメラニン種を有するDNA修復能欠損メラノサイトは、ユーメラニンおよびメラニン不含メラノサイトについては各遺伝背景をもつXPAKOマウスより単離した。DNA修復能が欠損し、フェオメラニンを含有すメラノサイトを得るために、XPAKOC57BL/6とyellow mouseとのbackcrossによりこの性質をもつメラノサイトが産生されるよう、マウスを作製した。 B.方法と結果: 1.色素性乾皮症A群(XPA)患者皮膚および健常人皮膚より培養メラノサイトを樹立し、UVBを照射24時間後のapoptosisの形成率をCell Death Detection ELISA kitを用いて定量測定した。健常人メラノサイトでは、ほとんどapoptosisを誘導し得なかったが、XPAのメラノサイトでは10mJ/cm^2照射にてaoptosisが確認され、UVBによるapoptosis形成の感受性が異なることが明らかとなった。一方、UVA照射では、両メラノサイトにおいて細胞増殖、細胞死共に明らかな差異は認められなかった。 2.ヒト由来のメラノサイトでは、メラニン含量が個人により異なること、またXPA患者は日本に多く、赤黄色いメラニンであるフェオメラニンを主として産生する赤毛の白人には極めてその発症頻度が低いことより、メラニン種の違いによる紫外線感受性を検討するためには、メラニン種の含有が特徴的でXPA遺伝子がノックアウトされたマウスが必要である。紫外線によるメラノーマ形成に深く関わるであろうと考えられているフェオメラニン含有マウス(yellow/C57BL6)を、C57blackのXPAノックアウトマウスとバッククロスにより作製した。
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