2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮川 清 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40200133)
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Keywords | 相同組換え / ゲノム不安定性 / DNA修復 / 乳がん / 染色体異常 |
Research Abstract |
乳がん遺伝子蛋白質Brca1と蛋白質複合体を形成するRAD54Bの変異がヒトがんに存在することを我々はこれまでに報告したが、この遺伝子の機能は不明であるために、ヒト発がんにおける相同組換え異常の分子機構を解明することを目的として、RAD54Bの機能解析を行った。まず、ヒト細胞における機能を明らかにするために、ヒト大腸がん細胞株においてRAD54Bノックアウト細胞を作製した。この細胞では、野生株と比較して外来遺伝子断片による相同組換えの頻度が著しく低下していた。しかし、RAD54変異株で報告されている放射線感受性の上昇や姉妹染色分体交換の低下は観察されなかった。この表現型は酵母の組み換え遺伝子Tid1/Rdh54の変異株の表現型に類似することにより、RAD54BはTid1/Rdh54の高等真核生物におけるホモログと考えられた。さらに、リコンビナント蛋白質を作製し生化学的解析を行った。その結果、RAD54BはDNA結合能及ぴ二重鎖DNA依存性のATPase活性を有することが明らかとなった。しかしTid1/Rdh54が結合するDmc1には結合しないことにより、RAD54Bの機能には進化上保存されていないものも存在することが明らかとなった。また、これらの機能は構造的に類似するRAD54とは明らかに異なるものであり、体細胞における相同組換えではRAD54とRAD54Bが各々独自の役割を果たすことも明らかとなった。
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[Publications] Miyagawa, K.: "A role for RAD54B in homologous recombination in human cells"The EMBO Journal. 21(1-2). 175-180 (2002)
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[Publications] Kazo, T.: "Human RAD54B is a double-stranded DNA-dependent ATPase and has biochemical properties different from its structual homologue in yeast, Tidl/Rdh54"Nucleic Acids Research. (In press). (2002)
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[Publications] Masuda, Y.: "Deoxycytidyl transferase activity of the human REV1 protein is closely associated with the conserved polymerase domain"The Journal of Biological Chemistry. 276(18). 15051-15058 (2001)
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[Publications] Fukuda, T.: "Alterations of the double-strand break repair gene MRE11 in cancer"Cancer Reseach. 61(1). 23-26 (2001)
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[Publications] Takahashi, T.: "Evident for RAD51L1/HMGIC fusion in the pathogenesis of uterine leiomyoma"Genes Chromosomes Cancer. 30(2). 196-201 (2001)