2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213111
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Research Institution | Department of Immunogenetics, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto University |
Principal Investigator |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10156119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50274709)
中面 哲也 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30343354)
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Keywords | 腫瘍特異抗原 / 腫瘍マーカー / 癌退縮抗原 / 腫瘍免疫 / 樹状細胞 / 肝細胞癌 / メラノーマ / 食道癌 |
Research Abstract |
本研究は、腫瘍免疫において最も有効な標的と考えられる癌特異的に高発現している抗原を選び出し、これらの抗原についてヒト細胞傷害性T細胞(CTL)およびヘルパーT(Th)細胞に、腫瘍拒絶を誘導するペプチドを同定することを目的とする。本年度は、SEREX法により同定したHeat Shock Protein 105(HSP105)、cDNAマイクロアレイ解析により同定したGlypican-3(GPC3)およびProliferation Potential-Related Protein(PP-RP)などの理想的な3種類の腫瘍特異抗原について、以下のような研究成果を得た。1)GPC3が肝細胞癌(HCC)のみならず、悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしても有用であり、特にStage 0の早期腫瘍を検出できることを明らかにした。2)マウスにGPC3ペプチドをパルスした骨髄細胞由来の樹状細胞を、前投与することにより、GPC3を強制発現させたマウス大腸癌細胞株の皮下腫瘍の生着を拒絶できた。3)食道癌のcDNAマイクロアレイ解析により同定した、癌特異抗原PP-RPを高発現する食道癌は予後不良であり、またPP-RP遺伝子の発現抑制により食道癌細胞株の増殖が抑制され、PP-RPが細胞の癌化に関与している可能性を示した。さらに食道癌患者の末梢血中に、PP-RP・を特異的に認識してPP-RP発現癌細胞を傷害するヒトキラーT細胞の存在を証明した。4)HSP105蛋白抗原を用いて、大腸癌患者の末梢血単核細胞より複数のHSP105特異的Th細胞株を誘導できた。,さらにマウスモデルにおいて、HSP105蛋白抗原の免疫により、移植したHSP105発現大腸癌細胞株の腫瘍形成を抑制できることを示した。
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Research Products
(19 results)