2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213115
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
時野 隆至 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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Keywords | p53 / p63 / p73 / SCN3B / アポトーシス / マイクロアレイ |
Research Abstract |
p53の生理機能の全貌を解明する目的で、RDA法によりp53欠損マウス胎仔線維芽細胞p53(-/-)MEFと正常MEFで発現量の異なる21種類の遺伝子を同定し、そのうちSCN3B(sodium channel beta 3)がp53の直接の標的遺伝子であることを明らかにした。細胞内イオン動態の制御を介してERストレス応答に対するアポトーシス誘導を増強するp53経路の存在を示唆する結果を得た。さらに、比較ゲノム解析を利用して機能的p53応答性配列をゲノムから包括的に抽出するプログラムを開発し、ヒトゲノムからp53標的の候補遺伝子として60遺伝子を同定し、さらにその約半数がp53応答性のエンハンサー配列として機能することを明らかにした。一次配列のみの情報で効率よくp53により発現誘導される標的遺伝子の同定を可能にするアルゴリズムを開発した。さらに、新規p53標的遺伝子VDR(vitamin D receptor)について詳細な解析を行った。またp53ファミリーの生理機能の全貌を解明する目的で、cDNAマイクロアレイ解析を利用したp53ファミリーの各メンバー特異的な標的遺伝子の解析を行った。p73あるいはp63によって特異的に発現が誘導されるが、p53では発現誘導されない標的遺伝子としてPEDF(pigment epithelium derived factor)遺伝子を同定した。この結果は、p53ファミリーメンバーがPEDFの発環誘導を介して、細胞分化に関与していることを強く示唆している。
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