2000 Fiscal Year Annual Research Report
発がん化防御に関わるXPBおよびXPD遺伝子における変異の分子病態
Project/Area Number |
12213121
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
久武 幸司 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70271236)
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Keywords | 転写因子 / バキュウロウイル / DNA修復 / 転写 / TFIIH / プロモーター |
Research Abstract |
1 GAL4-VP16による転写活性化でのERCC3ヘリカーゼ活性の役割 組換え体TFIIHの再構成系を用いてTFIIHの変異体を作成し、GAL4-VP16による転写活性化ではXPBヘリカーゼ活性が非常に重要な役割をしていることが明かとなった。XPBヘリカーゼは基本転写ではpromoter openingとpromoter escapeの段階で作用しているが、GAL4-VP16による転写活性化ではどこで作用しているこかを検討した。まず、premeltした鋳型を用いて転写活性化反応を行いTFIIHの変異体の影響を検討した。この結果、転写活性化の際にTFIIHが関与するのはpromoter escapeの段階であることが分かった。またこの作用は基本転写で見られるTFIHの役割とは異なり、転写活性化に特異的である。実際、種々の変異プロモーターを用いて、転写をごく初期の段階で止め、promote escapeの段階で転写活性化の効果が見られるかどうかを調べると、転写のごく初期に転写活性化因子が作用していることが分かった。この、作用には転写活性化因子のみならず、転写補助因子PC4も必要である。この転写のごく初期の段階では、RNA polymerase IIはまだ安定に転写を行っていないようであり、abortiveな転写に終わることが多い。実際、ATPのアナログを用いて、転写のごく初期の段階でXPBの活性を止めると、RNApolymerase IIはpromoterから離れてしまう。以上のことより、転写の活性化にはpreinitiation complexの形成を促進するだけではなく、promoter escapeを促進することが重要であることが分かった。 2 DNA除去修復におけるTHIIHの役割 TFIIHを用いたヌクレオチド除去修復系を用いるとTFIIHの依存性にin vitroで修復反応が認められる。TFIIHのキナーゼを欠いた変異体は、野生型TFIIHに比べて修復活性が強いようである。現在この系を用いてTFIIH特にそのキナーゼ活性と修復の関係を調べており、TFIIHのキナーゼ活性がNERに抑制的に働いていることが想像される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishiguro,A.: "The Rpb6 subunit of fission yeast RNA polymerase II is a contact target of the transcription elongation factor TFIIS"Molecular and Cellular Biology. 20. 1263-70 (2000)
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[Publications] Wada,T: "FACT relieves DSIF/NELF-mediated inhibition of transcriptional elongation and reveals functional differences between p-TEFb and TFIIH"Molecular Cell. 5. 1067-1072 (2000)