2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213140
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
中村 卓郎 財団法人癌研究会, 癌研究所・発がん研究部, 部長 (00180373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 正幸 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
木南 凌 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40133615)
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Keywords | Evi9 / BHX2マウス / 骨髄性白血病 / NUP98-HOXA9 / Meis1 / 胸腺リンパ腫 / Rit1 / アポトーシス |
Research Abstract |
重要ながんの原因遺伝子や修飾遺伝子の同定には、動物モデルを利用した解析系が重要である。マウスの造血器腫瘍の系を用いて、その原因遺伝子を同定しこれらの遺伝子の発がんにおける生物学的意義を検討し、さらに対応するヒト遺伝子を同定してヒトのがんでの関与を検討した。 1)BXH2マウスにおいて同定したEvi9/Bcl11aの機能解析を行い、Evi9のSUMO化を介した機能の修飾の可能性を示し、また特異的結合配列を明らかにしてin vivoでのDNA結合を証明した。 2)ヒト白血病原因遺伝子NUP98-HOXA9トランスジェニックマウスを作製し骨髄性白血病を誘導した。このマウスとBXH2マウスとの交配実験からNUP98-HOXA9の白血病発症の共役因子としてMeis1及び新規の遺伝子5種を同定することに成功した。これらのうちFcgr2bはヒト血液腫瘍でも異常を来していて、本モデルがヒト白血病発症の分子機構の理解に有用な情報を持たらす可能性が示唆された。 3)放射線誘発胸腺リンパ腫において新規がん抑制遺伝子Ritl/Bcl11bを同定し、細胞死の誘発による増殖抑制作用を明らかにした。Ritlノックアウトマウスを作製し、その機能解析を行った。Rit1はT細胞の分化にのみ必要であり、B細胞やγδ-T細胞の分化には影響しない。また、その欠損はT細胞にアポトーシスをもたらすことが分かった。一方、Rit1ヘテロマウスを用いた予備的な発がん実験から、確かにRit1はがん抑制効果をもつという示唆を得た。Evi9とRit1は同一ファミリーに属するZnフィンガー蛋白であるが、それぞれB cellとT cellの発生分化に極めて重要な役割を担っていることが判った。 4)16番染色体上に存在する新規がん抑制遺伝子候補を単離した。
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[Publications] Fujino T: "Single-translocation and double-chimeric transcripts : detection of NUP98-HOXA9 in myeloidleukemias with HOXA11 or HOXA13breaks of the chromosomal translocation t(7;11)(p15;p15)"Blood. 99・4. 1428-1433 (2002)
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[Publications] Tsuruyama T: "Constitutive activation of Stat5a by retrovirus integration in early pre-B lymphomas of SL/Kh strain mice"Proc Natl Acad Sci USA. 99・12. 8253-8258 (2002)
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[Publications] Jishage M: "Identification of target genes for EWS/ATF-1 chimeric transcription fac"Oncogene. 22・1. 41-48 (2003)
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[Publications] Liu P: "Bcl11a signaling is essential for B-and T-cell development"Nat Immunol. (印刷中). (2003)
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[Publications] Ochiai Y: "Mapping of genetic modifiers of thymic lymphoma development in p53-knockout mice"Oncogene. (印刷中). (2003)
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[Publications] Kikkawa Y: "Mutations in a new scaffold protein Sans cause deafness in Jackson shaker mice"Hum Mol Genet. (印刷中). (2003)