2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213140
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
中村 卓郎 財団法人癌研究会, 発がん研究部, 部長 (00180373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木南 凌 新潟大学, 大学院・医学総合研究科, 教授 (40133615)
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Keywords | Evi9 / BXH2 / 骨髄性白血病 / NUP98-HOXA9 / Meis1 / 胸腺リンパ腫 / Rit1 / アポトーシス |
Research Abstract |
新しいレトロウィルス挿入変異システムを構築し、NUP98-HOXA9とHOX co-factorの発がんにおける協調遺伝子の候補としてMAPKシグナル系の分子やMel1遺伝子を同定した。さらに、野生型HOXA9とMeis1を同時に導入して発症させた白血病細胞の挿入部位の同定を行っている。in vivoの系においてサイトカインシグナルの分子機能の解析にレトロウィルス挿入変異システムを応用しMAPKK4とPI3KCDの遺伝子にレトロウィルスの挿入を認めた。骨髄性白血病及びB細胞性白血病原因遺伝子Evi9/Bcl11aは、そのホモノックアウトマウスでB220陽性のpre-B細胞のコロニー形成が消失しCD43 lowのpopulationが欠如していること、免疫グロブリンheavy chainのD-J組み換えの欠如するなどpre-B細胞分化に必須であるが、その現象がE2Aとともにμエンハンサーに対する転写制御作用を介していること、Bcl11aがT細胞の分化にも重要な役割を果たしている可能性を示した。Bcl11aによるSUMO局在の再構成はSUMOがBcl11aに直接付加することによるのではなく、複合体形成などの機構を介している可能性が考えられた。リンパ腫抑制遺伝子・Rit1/Bcl11b(KO/+)とp53(KO/+)の二重ヘテロマウスは非照射でも胸腺リンパ腫を生後300日以内に高頻度に発症した。Bcl11bノックダウン細胞株の解析から、(1)Bcl11b蛋白の減少によりアポトーシスをもたらす。これは抗アポトーシス蛋白・BclxLの減少による。(2)S期で細胞周期を停止する。(3)Chk1の活性化(リン酸化)に障害がみられた。これらの結果から、Bcl11bがChk1と関連しゲノム保持機構に働くことが示唆された。19番染色体上に存在する新規がん抑制遺伝子については、一つの既存の遺伝子の変異解析を行っている。
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