2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
三木 義男 (財)癌研究会, 癌研究所・遺伝子診断研究部, 部長 (10281594)
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Keywords | 遺伝性乳癌 / BRCA1 / BRCA2 / 核移行シグナル / BRCA2関連タンパク |
Research Abstract |
遺伝性乳癌原因遺伝子として同定されたBRCA2遺伝子は、二本鎖DNA切断の修復に関与する核内タンパク質をコードする。BRCA2の機能解析の一環として、(1)BRCA2タンパク質の核輸送機構の解析を行った。C末端部に核内移行シグナルが複数存在し、これらにはさまれた領域には核外移行シグナルが存在し、それらが統合的に機能することによりBRCA2タンパク質の核-細胞質間移行が調節されていると推定された。(2)BRCA2結合タンパクを検索し、その結果、RAD51、BRAP1を同定し、それらの機能解析および遺伝性乳癌原因遺伝子としての検討を行った。RAD51は一部の両側性乳癌患者に発癌の原因と推測される遺伝子変異を検出した。さらに、BRCA2のC端領域(コドン3119-3418)に結合する候補としてAmphiphysinおよびBIN1と高度の相同性を認める分子を単離しBRAP1とした。乳癌組織、乳癌家系においてそれぞれ体細胞変異、胚細胞変異の解析を行い変異は同定されなかったが、乳癌細胞株、膵臓癌細胞株の、それぞれ10/12(83%)、4/6(67%)においてmRNAの発現の低下が認められたことより、腫瘍抑制機能を持つ可能性を考え、colony formation assayを行ったところ、明らかにBRAP1はコロニー形成能の抑制機能を持つことが判明した。また、シスプラチン、エトポシドなどの抗がん剤の効果を、MTT assayで解析したところ、BRAP1 mRNAの発現量が多い細胞株ほど致死率は高く、さらに、mRNAの発現量の少ない乳癌細胞株にBRAP1を発現させると、アポトーシスを起こす細胞が明らかに増加することを同定した。これらの結果より、BRAP1は細胞増殖抑制機能、アポトーシス誘導機能にかかわる可能性のある遺伝子と考えている(投稿準備中)。
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[Publications] Kato,M., et al.: "Identification of Rad51 alteration in patients with bilateral breast cancer."J Hum.Genet.. 45. 133-137 (2000)
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[Publications] Yano,K., et al.: "Nuclear Localization signals of the BRCA2 protein."Biochem Biophys Res Commun.. 270. 171-175 (2000)
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[Publications] Futamura,M., et al.: "Potential role of BRCA2 in a mitotic checkpoint after phosphorylation by hBUBR1."Cancer Res.. 60. 1531-1535 (2000)