2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213141
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 遺伝性乳癌 / BRCA1 / BRCA2 / DNA損傷修復 / 細胞骨格 / Two hybrid法 |
Research Abstract |
遺伝性乳癌原因遺伝子BRCA1、BRCA2はがん抑制遺伝子であり、当初、機能欠損によって細胞増殖が活性化されると思われたが、ノックアウトマウスの解析では細胞増殖は低下し染色体構造異常が認められ、両遺伝子はゲノムの安定化に働くcaretaker型がん抑制遺伝子で、DNAの損傷修復、特に二本鎖切断されたDNAを修復する機構に関与していると考えられている。BRCA2がコードするタンパクのDNA損傷修復機能が、発がん過程において種々の役割を果たしていることが判明しつつある。BRCA2の異なる領域に異なるタンパクが結合し、各複合体がそれぞれ異なる機能を有する。そこでBRCA2タンパクの結合分子を同定し、その情報伝達の流れからBRCA2の生理機能の解明を試みた。(1)Yeast two hybrid法によりマウス胎児cDNAライブラリーのスクリーニングを行なった。BRCA2タンパクの(a)N端付近、(b)中央付近、(c)C端付近にはヒト-マウス間においてそれぞれアミノ酸レベルで90%以上の率で保存されている領域が存在する。それら各領域をbaitとして解析を進めた結果、(a)領域に結合する機能未知タンパク(FJL20527)、(b)領域に結合する分子としてTRAF1、Tax binding protein類似タンパク、(c)領域に結合する分子としてactinin、Riken cDNA 2410127L17を単離した。また、(2)ヒト乳癌細胞株MCF-7のcell lysateにおいてBRCA2タンパクを免疫沈降し、共沈するタンパクを質量分析装置で解析した結果、細胞骨格蛋白と関連するplectin、myosinを同定しBRCA2との機能的相互作用の解析を進めている。
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