2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の酸素・栄養飢抵抗性の機構とその進展における役割
Project/Area Number |
12213153
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Research Institution | National Cancer Center |
Principal Investigator |
江角 浩安 国立がんセンター(研究所), 支所, 支所長 (70160364)
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Keywords | 栄養飢餓耐性 / AMPK / Akt / ARK5 / TGF-β / HNPCC / 大腸がん / 浸潤転移性 |
Research Abstract |
我々が見出した膵臓がんなどに見られるグルコース、アミノ酸、血清など栄養因子の極度の欠乏に対する耐性、及び低酸素下では多くの細胞でグルコースに対する依存性が低下するという一見矛盾する反応の、生化学的機構及びそれを支える遺伝子群及びその働きを明らかにすることを目的とした。低酸素による反応は大腸がん細胞、DLD-1,HCT-14,WiDrなどでも観察されたがLoVo,HCT-116などのHNPCCの細胞では観察されなかった。HNPCCではTGF-βタイプII受容体(TβRII)が不活化されていることが知られている。また、多くの細胞で低酸素によりTGF-βが誘導されることも報告されている。低酸素によるグルコース飢餓耐性の誘導がTGF-βが引き金になっている可能性が明らかになった。HepG2細胞の培地にTGF-βを50ng/mlで添加すると、大気圧中でもグルコース飢餓に耐性となった。また、TβRIIのdominant negative体の発現ヴェクターをHepG2細胞に導入すると低酸素によるグルコース飢餓耐性誘導が阻害された。以上の結果より、TGF-βがSmad系非依存的に関わっていることが分かった。
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Research Products
(12 results)