2000 Fiscal Year Annual Research Report
生存シグナル伝達に関わるAKTのカスバーゼによる分解とその活性調節機構の解析
Project/Area Number |
12215031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 直也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20280951)
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Keywords | AKT / アポトーシス / カスパーゼ / HSP90 / 蛋白分解 |
Research Abstract |
1、アポトーシスは生体の発生時期におけるプログラム細胞死に伴ってよく観察される細胞の死の様式であるが、抗癌剤や放射線などの非生理的なストレスで癌細胞を処理した際にも誘導される。このアポトーシスの実行過程において主要な働きをするカスパーゼファミリープロテアーゼは、プロテアーゼカスケードを形成してアポトーシスのシグナルを伝達するとともに、様々な細胞内基質を切断することにより細胞をアポトーシスの状態へと陥らせる。アポトーシス抑制シグナルを伝達することが明かとなり近年注目を集めているセリン・スレオニンキナーゼAktの、アポトーシス誘導時における活性変化並びにカスパーゼによる分解とその切断断片の活性変化を検討したところ、Aktがアポトーシス進行過程においてカスパーゼにより切断されることを見い出した。Aktに点変異を導入することによりその切断部位を同定した結果、108、119、434番目のアスパラギン酸で切断されることを同定した。また切断されたAktはそのキナーゼ活性を失うことも見い出した。よって抗癌剤は,Aktを介した生存シグナルをAktの分解を誘導することにより遮断し、アポトーシス進行を促進していることが明らかになった。 2、またAktと相互作用する分子としてHsp90を同定した。Hsp90及びAkt上の結合に関与する部位を様々な断片を作製することにより同定した。さらにこのAktとHsp90の結合を阻害することによりアポトーシスが誘導されることが分かり、Hsp90はAktの活性を正に制御し、アポトーシス抑制に関わっていることを明らかにした。さらにHsp90はAktの活性化に重要なリン酸化されたスレオニン残基の脱リン酸化を阻害することによりAktの活性を制御していることも明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤沙織: "Modulation of Akt kinase activity by binding to Hsp90."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 10832-10837 (2000)
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[Publications] 中塩文子: "Prevention of phosphatidylinositol 3'-kinase-Akt survival signaling pathway during topotecan-induced apoptosis."Cancer Research. 60. 5303-5309 (2000)
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[Publications] 六代範: "Cleavage and inactivation of anti-apoptotic Akt/PKB by caspases during apoptosis."J.Cell.Physiol.. 182. 290-296 (2000)
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[Publications] 藤田直也: "In vivo veritas : Bcl-2 and Bcl-XL mediate tumor cell resistance to chemotherapy."Drug Resist.Updates. 3. 149-154 (2000)
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[Publications] 広谷美紀: "NH2-terminal BH4 domain of Bcl-2 is functional for heterodimerization with Bax and inhibition of apoptosis."J.Biol.Chem.. 274. 20415-20420 (1999)
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[Publications] 張永克: "Caspase-mediated cleavage of p21Waf1/Cip1 converts cancer cells from growth arrest to undergoing apoptosis."Oncogene. 18. 1131-1138 (1999)