2000 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソームシステムによる細胞がん化・増殖の制御機構
Project/Area Number |
12215035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川原 裕之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70291151)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン / ユビキチンレセプター / 細胞がん化 / 細胞増殖 / cdc2キナーゼ |
Research Abstract |
最近、ユビキチン-プロテアソーム経路による時間、空間特異的な蛋白質分解が細胞の増殖や分化制御に密接に関与していることが明らかになりつつある。本補助金受領中、研究代表者はマウス初期胚で時期あるいは組織特異的な発現パターンを示す初めてのプロテアソーム遺伝子として3種類のユビキチンレセプター(Rpn10)サブユニットを単離したことを報告した(Kawahara et al.,EMBO J.19,2000)。本研究では、これらRpn10サブユニット群をユビキチン経路の多様性を担うポイントの一つとして理解し、細胞増殖・癌化との関連を明らかにしていくことを目指している。最近、研究代表者は、Rpn10遺伝子産物を細胞に過剰発現させるとRpn10の型に対応して細胞分裂に対して全く異なる効果を示す事を見い出した(Kawahara et al.投稿準備中)。例えば、Rpn10aの過剰発現はB型サイクリンの分解を阻害する一方でS期の進行には影響を与えない。一方、Rpn10eはB型サイクリンの分解には影響を与えないものの、G2期におけるcdc2キナーゼの活性化を阻害し、核の倍数化(Polyploidization)を引き起こす。これらの現象はRpn10分子内のユビキチン認識ドメインに依存しており、各Rpn10はユビキチン認識ドメイン付近の特異的配列に応じて異なる細胞周期ターゲットを認識していると考えられる。現在、ポリユビキチン化された細胞増殖調節蛋白質群とプロテアソームとの相互作用についてさらに詳細な解析を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kawahara et al.: " Developmentally regulated, alternative splicing of the Rpn10 gene generates multiple forms of 26S proteasomes."EMBO Journal. 19. 4144-4153. (2000)
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[Publications] H.Kawahara et al.: "Inhibiting proteasome activity causes over-replication of DNA and blocks entry into mitosis in sea urchin embryos."Journal of Cell Science. 113. 2659-2670 (2000)
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[Publications] K.Tanaka and H.Kawahara: "Proteasome and apoptosis."Handbook of Experimental Pharmacology. 140. 341-358 (2000)
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[Publications] 川原裕之: "マウス胎児期の脳に特異的に発現する26Sプロテアソーム-ユビキチンレセプターサブユニットの分子多様性とその意義-"実験医学、増刊号、特集「蛋白質分解の最前線」. (2001)
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[Publications] 川原裕之,横沢英良: "「神経難病の分子機構」石浦章一 編"シュプリンガーフェアラーク. (2001)