2000 Fiscal Year Annual Research Report
JNKカスケードにおける足場タンパク質の同定とその解析
Project/Area Number |
12215049
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
善岡 克次 金沢大学, がん研究所, 助教授 (60200937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道彦 北里大学, 理学部, 講師 (90240994)
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Keywords | MAPキナーゼ / JNK / 足場タンパク質 / JNKBP1 / JSAP1 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では、細胞死に深く関わるJNK MAPキナーゼ(MAPK)シグナル伝達経路に注目し、特定のシグナル伝達経路の選択的活性化機構および他のシグナル伝達系とのクロストークについて解析を行った。先ず、JNK結合タンパク質として同定したJNKBP1についてMAPKKK,MAPKとの相互作用を調べたところ、JNKBP1はTAK1,MEKK1 MAPKKK,およびJNK,p38 MAPKと特異的に結合することが明らかになった。さらに、JNKBP1はTAK1(あるいはMEKK1)によるJNKの活性化を増強することも明らかになった。以上の結果から、JNKBP1はTAK1-,MEKK1-JNK系における足場タンパク質として機能しており、シグナル伝達経路の選択的活性化に関与すると考えられる。現在、p38シグナル伝達経路におけるJNKBP1の役割について検討中である。一方、MEKK1-JNK系における足場タンパク質として既に報告したJSAP1について解析したところ、JSAP1はRaf→MEK→ERKカスケードにも関与しており、その場合は抑制的に働くことを見出した。この結果は、足場タンパク質JSAP1が他のシグナル伝達系とのクロストークにおいても重要な役割を担うことを強く示唆している。ERKカスケードの活性化は、一般的に、細胞の分化(あるいは増殖)を促す。JSAP1は、このようなERKカスケードを抑制すると同時に、特定のJNKカスケードに対しては正の制御因子として働くことにより、細胞死の実行を容易にしていると考えられる。また、JSAP1におけるJNK結合部位を詳細にマッピングし、そのJNK結合部位を含むペプチド(17アミノ酸残基)がJNKのin vitroキナーゼ活性を阻害することを見出した。
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[Publications] 久保木芳秀: "A scaffold protein in the NH_2-terminal kinase signaling pathways suppresses the extracellular signal-regulated kinase signaling pathways"The Journal of Biological Chemistry. 275・51. 4 (2000)
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[Publications] 伊藤道彦: "Isoforms of JSAP1 scaffold protein generated through alternative splicing"Gene. 255・2. 6 (2000)