2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12215050
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
広瀬 豊 金沢大学, がん研究所, 助手 (00218851)
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Keywords | アポトーシス / スプライシング |
Research Abstract |
アポトーシスの制御を司る遺伝子の多くは、選択的スプライシングによって作られる複数のアイソフォームを持ち、アイソフォームによって機能及び局在に多様性を持つことが知られている。とりわけBcl-xやCaspase-2,9,といった遺伝子は、選択的スプライシングによって作られる異なるアイソフォームが、一方はアポトーシス促進的に、他方はアポトーシス抑制的に機能することが知られている。細胞の生死を決める選択のなかで、選択的スプライシング制御システムがチェックポイント機構の一端を担っているのではないかと予想される。本研究は、アポトーシスのシグナル伝達機構と選択的スプライシング制御システムとの関連性を検索するために、アポトーシス誘導に附随した選択的スプライシング制御システムの変化を解析することを目的としている。とりわけ、近年mRNAプロセシング制御との関連が明らかになって来ているRNAポリメラーゼII(Pol II)最大サブユニットC-末端領域(CTD)のリン酸化状態を選択的スプライシング制御システムの指標として解析した。 ヒト培養細胞に、アポトーシス誘導刺激として抗癌剤処理叉はUV照射処理を行い、それに附随した複数のスプライシングバリアントを持つことが知られているアポトーシス関連遺伝子(Bcl-x、Caspase 2、Caspase 9、Mcl-1、Apaf-1)のアイソフォーム発現パターンの変化を経時的にRT-PCRにより解析した。しかしこれらのアポトーシス関連遺伝子のアイソフォーム発現パターンに大きな変動は認められなかった。一方ある線量以上の紫外線照射処理によって、調べた幾つかのスプライシング因子の発現量に変化は観察されなかったにもかかわらず、Pol II-CTDの特定部位のリン酸化を受けたPol IIの量的変動及びPol IIの選択的な分解が観察された。
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