2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12215066
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
開 祐司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿南 知佐 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (60303905)
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Keywords | 軟骨 / 血管新生抑制因子 / chondromodulin-I / tenomodulin / 網膜内皮細胞 / ゼブラフィッシュ / 唾液腺多形腺種 / 眼組織 |
Research Abstract |
間葉は豊富な細胞外マトリックスを伴い、そこから筋・骨その他の結合組織が作られる。脈管系もまた、間葉から生じる。周囲の結合織が豊富な血管網を有するのに対して、軟骨は無血管で、新たな血管侵入に強い抵抗性を示す。このような「血管侵入抵抗性」は、間葉と間葉、あるいは上皮と間葉間に成立する組織間相互作用のひとつであると考えられる。本年度は、軟骨以外の組織にもこのような相互作用が働くとされる組織におけるChondromodulin-I(ChM-I)の発現動態について詳細に検討した。その結果、唾液腺多形腺腫では、侵入血管を認めない領域特異的にChM-Iの発現を認めた。一方、眼も典型的な無血管組織で、脈絡膜を除いて強い血管抵抗性を示す。in situ hybridization法や免疫組織化学を駆使して、ラット眼におけるChM-Iの発現を詳細に検討した。その結果、眼房水を産生する毛様体に強い発現を認めた他、網膜色素上皮などでの発現を明らかにした。同時に組換えヒトChM-Iがヒト網膜内皮細胞の管腔形成反応を阻害する事を明らかにした。このような血管侵入抵抗性は、発生初期にも重要な役割をすると考えられる。そこで、ゼブラフィッシュChM-Iのクローニングに成功し、ChM-I mRNAが母性mRNAとして卵母細胞に既に存在すること、脊索で最初のzygoticな発現が認められることを明らかにした。このような生理的な血管侵入抵抗性を支える分子としてChM-Iが眼を含む非軟骨組織においても機能している可能性が示唆された。 また、ChM-IのC-末端領域に相同性を有する新規遺伝子をクローニングすることに成功し、これにコードされる新規の膜蛋白質をTenomodulin(TeM)と命名した。TeM遺伝子の発見は、生体内における血管侵入抵抗性の分子基盤が解明される新たな契機となるものとして期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Shimizu: "A novel alternative spliced FGFR3 isoform expressed during chondrogenic differentiation of ATDC5 cells has different ligand specificity from complete FGFR3"J. Biol. Chem.. 276. 11031-11040 (2001)
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[Publications] H.Funaki: "Expression and localization of angiogenic inhibitory factor, chondromodulin-I, in adult rat eye"Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.. 42. 1193-1200 (2001)
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[Publications] K.Kusafuka: "Cartilage-specific matrix protein chondromodulin-I (ChM-I) is associated with chondroid formation in salivary pleomorphic adenomas : an immunohistochemical analysis"Am. J. Pathol.. 158. 1465-1472 (2001)
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[Publications] S.W.Sachdev: "Sequence analysis of zebrafish chondromodulin-I and expression profile in the notochord and chondrogenic regions of developing cartilage"Mech. Dev.. 105. 157-162 (2001)
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[Publications] C.Shukunami: "Molecular cloning of tenomodulin, a novel chondromodulin-I related gene"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 280. 1323-1327 (2001)