2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12215108
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅野 雅元 広島大学, 医学部, 教授 (40161393)
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Keywords | ポリコーム遺伝子群 / 発がん / 転写制御 |
Research Abstract |
ポリコーム遺伝子群(mel-18)が、ガン抑制遺伝子として機能し、「two-hit」ではなく、「Haplo-insufficiency」による発がん機構であった。核内の巨大なポリコーム蛋白質複合体の破綻が原因であることが分かった。さらに遺伝子増幅でも同じようにポリコーム蛋白質複合体の破綻をきたし、がん化することが分かった。つまり、原因はなんであれ、核内のポリコーム蛋白質複合体の不安定化・破綻が継続すると、細胞のがん化を引き起こすことが分かった。現在、この蛋白質複合体の精製にほぼ成功した。この蛋白質複合体は約6MDaと巨大であり、少なくとも数種類のポリコーム遺伝子群産物、ヒストンの脱アセチル化酵素、基本転写因子のTFIIs、アクチン、などが共存していることが分かってきた。この複合体の不安定化による転写抑制機構の破綻が、癌化の原因の一つと考えられる。 現在、このポリコーム蛋白質複合体の精製にも成功しつつあり、現在構成蛋白質の同定を試みている。ショウジョウバエでもポリコーム蛋白質複合体の精製がKingstonの研究室から最近報告された。蛋白質複合体の構成成分は、哺乳類とハエで共通のものも有るが、哺乳類特有のものもいくつか存在していることが分かってきた。DNA結合蛋白質や、ヒストンの脱アセチル化酵素、基本転写因子TFIIs、などが構成成分として存在していることが分かってきた。転写抑制機構の破綻が、癌化の原因の一つと考えられる。さらに、ガン細胞の細胞周期および細胞死のどちらの(または両方)パラメーターが異常になっているのかを検討するために、DNATipを用い、標的遺伝子の発現スクリーニングを始めたところ、いくつか興味深いがん遺伝子群、がん抑制遺伝子群が同定できた。これらの両方の遺伝子群を同時に制御していることが、細胞のがん化を制御していると考えられた。今後これらの制御機構を詳細に詰めていきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akasaka, T., van Lohuizen, M., van der Lugt, N., Mizutani-Koseki, Y., Kanno.M., Taniguchi, M., Vidal, M., Alkema, M., Berns, A., Koseki, H.: "Mice doubly deficient for Polycomb group genes Mel18 and Bmi1 reveal synergy and requirement for maintenance but not initiation of Hox gene expression"Development. 128. 1587-1597 (2001)
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[Publications] Miyazaki, K., Inoue, H., Onai, N., Ishihara, H., Kanno, M.: "Chemokine-mediated thymopoiesis is regulated by a mammalian Polycomb group gene, mel-18"Immunol Lett.. 80. 139-143 (2002)
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[Publications] Yamasaki, M., Sasho, S., Moriya, H., Kanno, M., Harada, M., Kamada, N., Shimizu, E., Nakayama, T., Taniguchi, M: "Extrathymic development of Va11 T cells in placenta during pregnancy and their possible physiological role"J.Immunology. 166. 7244-7249 (2001)
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[Publications] Tanaka, T., Morita, E., Mihara, S., Kanno, M., Yamamoto, S.: "Identification of leukemia inhibitory factor as a potent mast cell growth-enhancing factor produced by mouse keratinocyte cell line, KCMH-1"Arch Dermatol. Res.. 293. 18-25 (2001)