2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12215156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
垣塚 彰 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究部長 (80204329)
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Keywords | APL / 亜砒酸 / ASK1 / 酸化ストレス / SEK1 / スプライニングバリアント / 細胞死 |
Research Abstract |
癌の新しい治療戦略を構築する上で、癌細胞がどのような細胞死シグナルに感受性を示すかを明らかにする事、また、それぞれの細胞死のシグナル伝達系の詳細を解明する事は極めて重要な基礎実験である。種々の癌細胞が異なる細胞死シグナルに異なる感受性を示す背景には、個々のシグナルの強さとそれぞれのシグナルの通り易さが重要な要因として考えられる。従って、細胞死シグナルネットワークの詳細を解明することは、癌治療のターゲットを決める上で必要不可欠なステップである。 本年度の解析で、APL細胞の亜砒酸による細胞死の過程で、再構築されたPML bodyにASK1がリクルートされ、SEK1-JNKの細胞死キナーゼカスケイドが活性化されていることが判明した。さらに、ASK1が酸化ストレスによって活性化を受けること、亜砒酸に活性酸素を生成する作用があることをヒントに薬剤を検索した結果、グルタチオン合成酵素阻害剤(LBSO)の併用によってin vitroのみならずin vivoの腫瘍移植モデルに於いて、亜砒酸の細胞死誘導能・腫瘍縮小能を増強することが判明し、固形がんの治療薬としての亜砒酸の可能性を飛躍的に向上させる基本戦略を得ることに成功したと考えている。 一方、偶然に同定したSEK1スプライスヴァリアント(SEK1Δ9)が、SEK1のドミナントネガティブとして働く細胞質蛋白であり、その過剰発現が細胞死を誘導する事を見いだした。この結果は、細胞質でのSEK1シグナルは、主に生存シグナルとしての機能を担うことを示唆し、PML bodyが核内でSEK1の細胞死シグナルを伝達するための重要な場となるという知見と見事に対比した結果である。 今後、生存・細胞死のシグナルカスケイドでの鍵となる分子を同定することを目指して行きたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Maeda,H.,Segawa,T.,Kamoto,T.,Yoshida,H.,Kakizuka,A.,Ogawa,O.,& Kakehi,Y.: "Rapid detection of candidate metastatic foci in the orthotopic inoculation model of androgen-sensitive prostate cancer cells introduced with green fluorescent protein."The Prostate. 45. 335-340 (2000)
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[Publications] Kakizuka,A.: "Molecular mechanisms underlying neuronal cell death in polyglutamine diseases."Neurochemical Research. 25. 990 (2000)
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[Publications] Yasuda,S,Hori,S.,Maeda,H.,Maeda,R.,Gotoh,Y.,Nishitoh,H.,Ichijo,H.,& Kakizuka,A.: "As2O3 treatment recruits Daxx and ASK1 to re-organized PML bodies and activates the SEK1-JNK cell death kinase cascade in APL cells."Cell Death & differentiation. (in revision).
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[Publications] Yamamoto,Y.,Hasegawa,H.,Tanaka,K.,& Kakizuka,A.: "Genetical isolation of neuronal cells with high processing activity for the Machado-Joseph disease protein."Cell Death & differentiation. (in revision).