2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12215156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣塚 彰 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (80204329)
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Keywords | 酸化修飾 / ATPase活性 / AAA ATPase / VCP / アミノ酸修飾 / 温度感受性株 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
細胞死・細胞増殖に関わる新規遺伝子・蛋白質として同定したAAA familyのATPaseであるVCP/p97蛋白質について解析を行い、以下の諸点を明らかにした。 (1)VCPは、過酸化水素、一酸化窒素などの酸化ストレスにより、そのATPase活性が顕著に低下すること、そして、その時3つのシステイン残基が酸化修飾を受けること、そのうち多細胞生物で良く保存されている一つのシステインを酸化を受けないアミノ酸に置換したVCPは、酸化によるATPase活性の低下に対して抵抗性を獲得することを明らかにした。 (2)外来性のVCPを誘導発現させることができる出芽酵母を作り、その酵母をEMSで処理してDNA変異を導入後、VCPの存在の有無で発育に差のでる温度感受性(ts)株を得た。 (3)上記のシステインの修飾以外に、VCPはリン酸化・アセチル化を受けることを見出し、そのような修飾を受けるアミノ酸残基を複数同定した。 (4)あるリン酸化修飾を受けるVCPを認識する抗体を作成することに成功した。 (5)RNAiを用いてVCPの発現を低下させるたHeLa細胞では、細胞周期の停止が観察された。 今後、蛋白質修飾によるVCPの機能の変化や哺乳動物のVCPを発現させた出芽酵母の遺伝学的な解析によって、哺乳動物のVCPが細胞分裂・増殖に関わる機能を解明できるものと考えている。将来的には、これらの一連の研究が、新しい癌の治療法の開発に繋がることを期待している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Maeda, H., et al.: "Effective treatment of advanced solid tumors by the combination of Arsenic Trioxide and L-Buthionine-Sulfoximine."Cell Death Differ.. (In press). (2004)
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[Publications] Matsumoto, M., et al.: "Molecular clearance of ataxin-3 is regulated by a mammalian E4."EMBO J.. 23. 659-669 (2004)
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[Publications] Kobayashi, T., Kakizuka, A.: "Molecular analyses of Machado-Joseph disease."Cytogenet.Genome Res.. 100. 261-275 (2003)
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[Publications] Kimura, Y., Kakizuka, A.: "Polyglutamine diseases and molecular chaperones."IUBMB Life. 55. 337-345 (2003)
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[Publications] Kamei, Y., et al.: "PGC-1β/ERRL1 is an ERR protein ligand, whose expression induces a high-energy expenditure and"Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 100. 12378-12383 (2003)
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[Publications] Mizuno, Y., et al.: "Vacuole-creating protein in neuro-degenerative diseases."Neurosci.Lett.. 343. 77-80 (2003)